2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20200065
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
松本 健 独立行政法人理化学研究所, 辻本細胞生化学研究室, 専任研究員 (60222311)
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Keywords | 遺伝子 / 発現制御 / mRNA安定性 / mRNP / P-body |
Research Abstract |
真核細胞内ではmRNAは常に蛋白質との複合体であるmRNPとなっている。mRNP構成因子は、mRNAの代謝(安定性および翻訳)の調節に重要な役割を果たす。カエル卵母細胞のY-ボックス蛋白質を含む複合体には卵母細胞特異的蛋白質P100や新規RARNP因子mP55Aが含まれていた。RAP55AやY-ボックス蛋白質などのmRNP構成因子、そしてsiRNAやmiRNAは、細胞質mRNP顆粒であるP-bodyに局在がみられる。P-bodyやストレス下で出現するストレス顆粒(SG)は、翻訳抑制されたmRNAが蓄積する場と考えられ、その形成と分解の機構は翻訳調節やmRNA安定性制御の解明に重要である。1)RAP55Aはアルギニンメチル化酵素PRMT1と結合するが、PRMT1のノックダウンにより、RAP55AがP-bodyから消失することがわかった。Dcp1やRCKなど、ほかのP-body因子には局在変化が見られなかった。PIMT1のノックダウンによりRAP55Aのメチル化に変化が見られるかどうか検討している。2)分子シャペロンHsp90の活性を阻害することにより、熱ショックで形成されるSGからeIF4Eや4E-Tが消失することを見いだした。また、他のSG構成因子で観察したところ、SGの大きさが小さくなり、細胞質でのSGの分布にも影響がみられた。P-bodyやSGから一部の構成因子だけが消失することで、mRNAの代謝に影響を及ぼす可能性がある。
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