2010 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚を用いたヒト胸腺organoid形成によるヒトMHC拘束性T細胞誘導の試み
Project/Area Number |
20200069
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
濱崎 洋子 京都大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (10362477)
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Keywords | 胸腺 / ヒトT細胞誘導 / 表皮細胞 |
Research Abstract |
本研究は、胸腺上皮細胞に発生学的・細胞生物学的に類似した表皮細胞を用いて胸腺様organoidを形成し、これにより目的とするヒトMHCに拘束した機能的T細胞を生成することを目的としている。前年度までに、同様のトライアルを行っている既知の論文報告(J.Clin.Invest 2005 vol15,p3239)と同じ条件にて検討したところ再現性が得られないことが判明し、また液性因子や細胞外マトリックスなどの様々な条件でorganoidを形成するも成熟T細胞の誘導には至らなかった。そこで、並行して進めていた機能的な胸腺組織をex vivoで再構成するための基礎となる実験、すなわち胸腺上皮細胞の産生・維持に関わる細胞の同定を行うこととした。以前の研究で、発生過程における髄質上皮の前駆細胞を同定することに成功している。そこで、この前駆細胞分画をマウスに移植し一年後に解析を行ったところ、移植した胎児由来の前駆細胞が髄質上皮細胞を産生し続けていることが明らかになった。またこの胎児由来の幹細胞分画の移植によって、髄質上皮分化の異常によりおこる自己免疫疾患をレスキューすることができた。以上の結果は、胎児期の前駆細胞分画に一生涯自己寛容を担う髄質上皮細胞の産生を維持する幹細胞様の細胞が含まれていることを示唆している。現在、胸腺上皮細胞のコロニーアッセイの系を立ち上げ、自己複製能を評価するとともに、皮質上皮にも同様に幹細胞様の細胞が存在する可能性を検証している。髄質・皮質両上皮幹細胞が同定でき、その性質・特質が明らかになれば、将来的に当初の目的であった機能的な胸腺organoid形成につながる可能性が期待できる。
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[Journal Article] SPA-1 controls the invasion and metastasis of human prostate cancer2011
Author(s)
Shimizu Y, Hamazaki Y, Hattori M, Doi K, Terada N, Kobayashi T, Toda Y, Yamasaki T, Inoue T, Kajita Y, Maeno A, Kamba T, Mikami Y, Kamoto T, Yamada T, Kanno T, Yoshikawa K, Ogawa O, Minato N, Nakamura E
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Journal Title
Cancer Sci
Volume: 102(4)
Pages: 828-36
Peer Reviewed
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