2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20200072
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
人見 清隆 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (00202276)
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Keywords | 酵素 / 蛋白質接着 / 基質配列 |
Research Abstract |
蛋白質間にカルシウム依存的に、接着反応を形成する酵素、トランスグルタミナーゼが関わる生命現象について解析すると共に、この反応の応用的な活用と展開を目指して、以下のような研究を実施した。 ヒトでは、トランスグルタミナーゼには8種のアイソザイムが存在する。これらのそれぞれについて特異的な高反応性基質配列を明らかにし、それらのペプチドを用いての、生物科学的解析・ツールとしての応用的な活用をすることが本研究の実施事項であった。平成22年度と繰越による平成23年度の実績の概要は以下のとおりである。 1.新規なアイソザイムの一つで神経細胞・皮膚表皮に特異的なTGase 6について、高反応性基質配列を同定し、さらにこれがペプチドとしても基質として機能することを明らかにした。これによって、細胞内外での、TGase 6の発現様式・活性を鋭敏で迅速に検出することができた。この他、現在までに特異的なモノクローナル抗体の取得を終え、また遺伝子発現の組織分布のリアルタイムPCRによる定量的な皮応により明らかにした。 2.骨芽細胞・神経細胞・表皮組織を用いて、基質ペプチド(広汎に発現している組織型TG)を用いて、内在性の基質タンパク質を親和性クロマトグラフィーによって同定するシステムを確立した。その結果、いくつかの構成蛋白質が新たに架橋接着される可能性を見出した。1で記述した神経細胞特異的酵素が、皮膚表皮でも発現し、内在性の活性を有してアイソザイム特異的な架橋化を触媒していることを示した。 3.蛍光ペプチドによる細胞・組織での活性発現解析 蛍光標識基質ペプチドを用いて、より詳細に皮膚型、組織型のTGについて組織毎に観察した。また、より迅速・簡便に行える方法へと改良した。
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Research Products
(18 results)