2012 Fiscal Year Annual Research Report
アジア途上地域におけるPOPs候補物質の汚染実態解明と生態影響評価
Project/Area Number |
20221003
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
田辺 信介 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (60116952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 久人 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (10271652)
高菅 卓三 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 客員教授 (10451379)
高橋 真 愛媛大学, 農学部, 准教授 (30370266)
仲山 慶 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 講師 (80380286)
滝上 英孝 独立行政法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物研究センター, 室長 (00353540)
磯部 友彦 愛媛大学, 上級研究員センター, 講師 (50391066)
鈴木 剛 独立行政法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物研究センター, 特任研究員 (70414373)
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Project Period (FY) |
2008-05-12 – 2013-03-31
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Keywords | アジア途上地域 / POPs候補物質 / 環境汚染 / リスク評価 / 歴史トレンド |
Research Abstract |
分析法の開発:POPs候補物質や臭素系難燃剤、有機リン系難燃剤について分析法を開発し、その妥当性について良好な結果を得た。有機スズ化合物についてはハウスダスト等に適用できる分析法を、多環芳香族類や塩素化ナフタレンについては標準品を整備してGC-HRMSによる高精度測定法を開発した。 高域汚染の実態解明と過去復元:日本沿岸に座礁した鯨類試料を対象にPOPs・BFRsおよびレアアースを含む微量元素を測定した。その結果、一部のPOPs・BFRsや微量元素の蓄積濃度は沿岸よりも外洋性の鯨種で高濃度に検出され、新規汚染物質やHg等の長距離輸送と種特異的な蓄積が示唆された。また、外洋性鯨類の肝臓試料を供試して微量元素濃度の歴史トレンドを解析したところ、水銀の経年的濃度上昇が認められ、中国等東アジアの新興国における産業活動進展の影響が示唆された。 汚染源の解析:ベトナムの電子・電気機器処理地域の作業労働者を対象に有害物質曝露を解析した結果、ダスト由来の取込量が大きく、都市住民のケースと明瞭に異なることが判明した。また、鉛バッテリー処理地域在住の小児を対象に発達障害テストを試みたところ、社会性障害の発症が示唆された。 生物蓄積の特徴:鰭脚類についてOH-PCBs・OH-PBDEsを分析し、生物蓄積の特徴や濃縮性・起源等を解析したところ、その代謝力は弱いものの一部の水酸化PCBs異性体は脳へ特異的に移行していることが示された。 リスク評価:野生動物の組織から調製した溶媒抽出液各画分にレポーター遺伝子アッセイと化学分析を適用し、臭素化ダイオキシン類等ハイリスク物質を特定した。また、ダイオキシン類が野生動物の受容体シグナル伝達系に与える影響評価法を確立した。 5年間の研究により、POPs候補物質のみならず微量元素や代謝物を含む多様な有害物質について、アジア地域の汚染実態とリスクを解明することができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(93 results)