2009 Fiscal Year Annual Research Report
複合極限場原子間力顕微鏡を用いた絶縁体表面での力学的な原子分子操作法の開発
Project/Area Number |
20221004
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菅原 康弘 Osaka University, 工学研究科, 教授 (40206404)
|
Keywords | 複合極限場 / 原子間力顕微鏡 / 原子分子操作 / ナノ物質 / CuO表面 / 周波数シフト / ポテンシヤル面 / 絶縁体表面 |
Research Abstract |
原子や分子をナノスケールの精度で操作し、新ナノ物質を思い通りに作り上げるためには、ナノスケールでの物質の自然法則を解明し、これを未来の実用技術に発展させる基礎研究が不可欠である。しかし、これまで、絶縁体表面での原子スケールの安定かつ再現性のある原子分子操作は実現されていない。そこで、本研究は、「複合極限場(極低温、強磁場、超高真空)環境で動作する現有の非接触原子間力顕微鏡を駆使して、絶縁体表面上で原子や分子を力学的に操作する未踏の技術を確立すると共に、ナノ構造体の新規な物性を探索する」ことを目的とする。本年度は、以下の研究課題について検討した。 1) 3次元フォース分光法の開発と3次元ポテンシャルエネルギー面の測定 探針・試料間距離を変えながら、探針・試料間の相互作用力によるカンチレバーの共振周波数の変化を3次元的に測定し、数値計算により、力の3次元分布、さらにはポテンシャルエネルギーの3次元分布を導出できるようにした。 2) 絶縁体表面での原子分子操作の機構解明 原子分子操作の機構を明らかにするため、原子分子操作中の探針の軌跡光探針・試料間のエネルギー散逸、ポテンシャルエネルギーの3次元分布を同時に解析することにより検討した。また、モンテカルロアルゴリズムにより導出した理論的モデルとも比較検討した。 3) 原子分子操作による1次元ナノ構造体の構築とその物性解明 力学的な原子操作の制御条件と機構解明の成果を生かして、実際に絶縁体表面上の原子を力学的に操作して、1次元のナノ構造体を構築し、その物性を解明した。
|
Research Products
(11 results)