2011 Fiscal Year Annual Research Report
複合極限場原子間力顕微鏡を用いた絶縁体表面での力学的な原子分子操作法の開発
Project/Area Number |
20221004
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菅原 康弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40206404)
|
Keywords | 複合極限場 / 電子間力顕微鏡 / 原子分子操作 / ナノ物質 / 絶縁体表面 / ポテンシャル面 / 周波数シフト / CuO表面 |
Research Abstract |
原子や分子をナノスケールの精度で操作し、新ナノ物質を思い通りに作り上げるためには、ナノスケールでの物質の自然法則を解明し、これを未来の実用技術に発展させる基礎研究が不可欠である。しかし、これまで、絶縁体表面での原子スケールの安定かつ再現性のある原子分子操作は実現されていない。そこで、本研究は、「複合極限場(極低温、強磁場、超高真空)環境で動作する現有の非接触原子間力顕微鏡を駆使して、絶縁体表面上で原子や分子を力学的に操作する未踏の技術を確立すると共に、ナノ構造体の新規な物性を探索する」ことを目的とする。本年度は、以下のような成果を得た。 1)フォース分光法の開発と力学的な原子操作の機構解明に成功 原子操作の機構を解明するためには、カンチレバーの周波数シフトの距離依存性を3次元的に測定し、ポテンシャル分布を導出した。その結果、探針・試料間距離が減少すると、Super-Cu原子の拡散障壁が減少するため、Super-Cu原子が水平移動することが分かった。 2)原子操作により絶縁体表面にナノ構造体を構築することに成功 力学的な原子操作の制御条件と機構解明の成果を生かして、実際に絶縁体表面上の原子を力学的に操作して、ナノ構造体を構築することに成功した。 3)強磁場下での磁性原子の操作に世界で初めて成功 複合極限環境において、酸化銅表面で磁性原子であるCo原子を水平方法ならびに垂直方法に操作することに成功した。また、原子操作を用いて、1次元ならびに2次元のナノ構造体を構築することにも成功した。なお、強磁場環境下で力学的な原子操作に成功したのは、本研究が初めてである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フォース分光法を開発し、力学的な原子操作を機構を解明することに成功した。また、原子操作により絶縁体表面にナノ構造体を構築することに成功した。さらに、強磁場下での磁性原子の操作に世界で初めて成功した。このように、本研究目標を達成するための具体的な研究計画が順調に進展しているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究を遂行する上で大きな問題点は生じておらず、当初の研究計画に従って研究を推進すれば、研究目的を達成できると考えている。
|
Research Products
(24 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Imaging of Al_2O_3 Thin Film2011
Author(s)
R.Doi, S.Ozawa, Y.Naitoh, Y.J.Li, S.Sugawara
Organizer
19th International Colloquium on Scanning Probe Microscopy (ICSPM19)
Place of Presentation
Touyako, Japan
Year and Date
20111219-20111221
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-