2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20224008
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松田 祐司 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (50199816)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝内 孝禎 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00251356)
石田 憲二 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90243196)
寺嶋 孝仁 京都大学, 低温物質科学研究センター, 教授 (40252506)
|
Keywords | 重い電子系 / 超伝導 / 異方的超伝導 / 人工超格子 / MBE / 下部臨界磁場 / 隠れた秩序 / 量子振動 |
Research Abstract |
f電子を持つCeなどの希土類元素やUなどのアクチノイド元素を含む金属間化合物は、f電子と伝導電子の近藤効果による混成のために、狭いバンドが形成され、電子の有効質量が自由電子の100倍以上重くなったいわゆる「重い電子状態」が実現される。このような系で超伝導電子対が形成されると、強いクーロン斥力のため、通常の超伝導とは異なる対称性を持った異方的な超伝導状態が実現する。本年度は、まず分子線エピタキシャル成長法による重い電子系化合物の人工超格子の創成の目的で、エピタキシャル装置(MBE)の立ち上げを行った。その結果Ce系化合物CeIn3/LaIn3の人工超格子の作製に成功した。Ce系化合物の超格子作製だけでなくエピタキシャル成長自体が世界ではじめての例である。さらに極低温走査微小ホール素子を用いて、これまで測定が困難であった超伝導体の下部臨界磁場を精密に測定できる装置の開発を行った。この方法により新しく発見された超伝導体の下部臨界磁場の測定を行った。さらに重い電子系化合物URu2Si2は隠れた秩序下でエキゾチックな超伝導状態を示すが、我々は強磁場中で量子振動の測定を行い隠れた秩序の内部に新しい相転移があることを発見した。これは超伝導秩序を知る上で重要な情報を与えると考えられる。
|
Research Products
(4 results)