2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20224008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松田 祐司 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (50199816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 憲二 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90243196)
芝内 孝禎 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00251356)
寺嶋 孝仁 京都大学, 低温物質科学研究センター, 教授 (40252506)
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Keywords | 人工超格子 / 量子臨界点 / 重い電子系 / 隠れた秩序 / 下部臨界磁場 / 反強磁性揺らぎ / 超伝導 / 有効質量 |
Research Abstract |
本年度はCeIn3/LaIn3の人工超格子を作製した。Laはf電子を持たないのに対しCeは持つため、この系は自然界には存在しない新しい重い電子系である。バルクのCeIn3は10Kで反強磁性に転移することが知られている。LaIn3を4層に固定しCeIn3層の厚みを変えていったところ10枚くらいの厚みからネール温度が下降し始め2枚のところで消失した。これは2次元化による反強磁性揺らぎの増大の効果である。さらにネール温度が下がるにつれ電子の有効質量も大きく増大することを発見した。これらの結果は人工的な次元制御による量子臨界点の制御に成功したと解釈できる。以上の成果はScience誌に発表した。さらに重い電子系超伝導体であるURu2Si2の隠れた秩序状態において強磁場をかけて輸送現象を測定し、隠れた秩序相には2種類あることを示した。さらに隠れた秩序下で起こる超伝導状態において、下部臨界磁場を新しく開発した方法により測定し下部臨界磁場が異常な温度依存性を示すことを発見した。これらの成果はPhysical Review Letter誌を含むいくつかの論文で公表した。
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Research Products
(4 results)