2012 Fiscal Year Annual Research Report
電子線コンプトン散乱の時間分解反応顕微鏡の開発による物質内電子移動の可視化
Project/Area Number |
20225001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 正彦 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (80241579)
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Project Period (FY) |
2008-05-12 – 2013-03-31
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Keywords | 化学物理 / 原子・分子物理 / 電子線散乱 / 時間分解分光 |
Research Abstract |
研究計画最終年度の平成24年度は、超短パルス電子銃や超大型電子運動量分光器の開発などの平成23年度までの成果を踏まえ、アセトン、アセチレン、及びo-クロロトルエン分子を対象として「電子線コンプトン散乱の時間分解反応顕微鏡」実験を開始した。具体的には、120フェムト秒幅の超短パルスポンプレーザーを分子線中の孤立分子に照射して電子励起し、ポンプレーザーからの遅延時間の関数として、その後続緩和過程として起こる解離反応を1.2keV のエネルギー、1ピコ秒幅の超短パルス電子線を励起源とする時間分解電子運動量分光を用いてプローブした。例えば、アセトンに対しては、195 nmのポンプレーザー光照射によりS2(n, 3s)電子状態に励起し、その後続緩和過程の逐次的3体解離反応を観測した。その結果、反応の始状態であるアセトンS2(n, 3s)状態、終状態であるメチル基、カルボニル基からの信号、および反応過渡状態からの信号を得ることができた。さらに、アセトンの重水素置換体に対しても同様の実験を行い、上記のデータと併せて、現在、詳細な解析を進めている。 以上のように、得られる実験データに関しては質的改善の余地を大いに残すものの、化学反応における原子核位置の変化を先導して起こる物質内電子運動の変化を世界に先駆けて観測しようとした本研究の目的を達成することができた。また、本研究で得られた成果は、関連分野の先導的・開拓的業績として、幾つかの国際会議で招待講演を依頼されるなど国内外の関連分野で極めて高い注目を浴びつつある。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(34 results)
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[Presentation] 時間分解電子運動量分光と散乱理論の開発2012
Author(s)
山崎優一, 大石慶也, 中澤博之, 大村英樹, K. A. Kouzakov, Yu. V. Popov, 高橋正彦
Organizer
第12回東北大学多元物質科学研究所研究発表会
Place of Presentation
東北大(宮城県)
Year and Date
20121210-20121210
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