2010 Fiscal Year Self-evaluation Report
Visualization of electron transfer in matter with a time-resolved reaction microscope for electron Compton scattering
Project/Area Number |
20225001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
TAKAHASHI Masahiko Tohoku University, 多元物質科学研究所, 教授 (80241579)
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Project Period (FY) |
2008 – 2012
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Keywords | 励起分子素過程 |
Research Abstract |
(1)化学反応を実時間で観測したいという物理化学者全体の夢は、超短パルスレーザーの発展によって現実のものとなりつつある。これまで、振動分光による官能基の振動数変化、超短パルス電子線回折による核位置の変化、あるいは吸収・発光分光や光電子分光による電子状態変化等の観測を通じて、化学反応途中の系を追跡する試みがなされてきた。しかし、化学反応一般を先導する物質内電子の変化そのものを観測する研究はなかった。 (2)本研究は、研究代表者らが世界に先駆けて開発した物質内電子の運動量分布を3次元的に与える手法に、超短パルス電子線技術を高度に導入することにより、物質内電子運動が化学反応を先導する形で時々刻々変化する様を観測する新規分光法を開発する。これにより、従来とは異なる観点から、単分子の動的過程の解明を目指す。 (3)本研究で開発する手法は、超短パルスポンプレーザーにより単分子を光励起した後、ポンプパルスからの遅延時間の関数として、3-30keVの超短パルス電子線を反応途中の系に照射し、これにより起こるコンプトン散乱で生成する非弾性散乱電子、電離電子、解離イオンの3つの荷電粒子のベクトル(エネルギーと角度)相関測定から過渡状態の物質内電子運動量分布を観測するものである。 (4)本研究は、計5年の研究期間を、上記実験を行う装置の構成設備を各々整備する第I期(平成20-21年度)、それら設備を組み合わせてシステムとして立ち上げる第II期(平成22年度)、そして基礎・応用実験を行う第III期(平成23-24年度)の3つのフェイズに分ける年次計画に沿って進める。
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Research Products
(11 results)