2012 Fiscal Year Annual Research Report
クロス及びマルチカップリング反応の高効率触媒系の構築と高度制御
Project/Area Number |
20225004
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
神戸 宣明 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60144432)
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Project Period (FY) |
2008-05-12 – 2013-03-31
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Keywords | クロスカップリング / 多成分カップリング / 遷移金属触媒反応 / アート型錯体 / アルキル化 / グリニャール試薬 / ジエン |
Research Abstract |
遷移金属触媒によるクロスカップリング反応は、炭素-炭素単結合によって二つの分子を連結する有用な手法の一つである。しかし、アルキル鎖の連結反応は今なお解決すべき課題が残されている。これまでに我々はNiやCu等の遷移金属と不飽和炭化水素添加剤を組み合わせる新触媒系を開発し、アルキルハライドとアルキルグリニャール試薬との効率的なクロスカップリング反応を達成している。本研究では新たに、塩化コバルトと1,3-ジエンおよびヨウ化リチウムを組み合わせる事によりアルキル基同士のクロスカップリング反応が円滑に進行する事を見いだした。本反応の特徴は、立体的に嵩高い3級アルキル求核剤を用いても効率よく反応が進行するとともに、これまでに報告されている触媒系ではしばしば問題となる3級アルキル基の異性化反応がまったく起こらない点にある。 反応機構研究から、本反応の触媒活性種は1価のコバルトヒドリド種とブタジエン3分子から生成するコバルトモノアリル錯体である事が示唆された。系中で発生したこの錯体は、アルキルハライドに対しては不活性であるのに対して、グリニャール試薬と速やかに反応しアニオン性コバルト錯体を生成する。これがアルキル求電子剤と反応する事により、カップリング生成物を与えると考えている。また、各種検討から、本反応はアルキルラジカル種の生成を伴わず、アルキルハライドとアート錯体とのSN2型の反応を経て進行すると考えられる。 今回得られた知見は、アニオン性錯体の概念が広範な遷移金属元素に適用可能であり、それぞれの元素に備わった特異な反応性を活用することにより、様々な新しい分子変換反応の開発につながることを示している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(39 results)
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[Journal Article] (2) -Bond Metathesis between M–X and RC(O)X’ (M = Pt, Pd; X, X’ = Cl, Br, I): Facile Determination of the Relative G Values of the Oxidative Additions of RC(O)X to an M(0) Complex, Evidence by Density Functional Theory Calculations, and Synthetic Applications2013
Author(s)
Hitoshi Kuniyasu, Atsushi Sanagawa, Daisuke Nakane, Takanori Iwasaki, Nobuaki Kambe, Karan Bobuatong, Yunpeng Lu, and Masahiro Ehara
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Journal Title
Organometallics
Volume: 32
Pages: 2026-2032
DOI
Peer Reviewed
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