2010 Fiscal Year Self-evaluation Report
Development and Control of Highly Efficient Catalytic Systems for Cross-and Multicomponent-Coupling Reactions
| Project/Area Number |
20225004
|
|---|
| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
|
| Allocation Type | Single-year Grants |
|---|
| Research Field |
Synthetic chemistry
|
|---|
| Research Institution | Osaka University |
|---|
Principal Investigator |
KAMBE Nobuaki Osaka University, 工学研究科, 教授 (60144432)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2008-05-12 – 2013-03-31
|
| Keywords | 錯体・有機金属触媒 |
|---|
| Research Abstract |
遷移金属触媒を用いる結合生成反応は、最も重要な合成手段の一つであり、近年目覚ましい発展を遂げている。しかしながら、この分野に於いても未解決の課題も多い。これを基質という視点から見ると、一つは炭素骨格の構造に由来するものであり、例えばアルキル金属錯体からのβ水素脱離が速いため、遷移金属錯体を利用して飽和の炭素鎖を導入する事は一般に困難と考えられてきた。もう一つはヘテロ原子の性質に起因するものである。炭素と同族のケイ素を例に挙げれば、Si-Cl結合を遷移金属で切断することは困難であり、汎用的なケイ素化試剤であるクロロシランをシリル化剤とする遷移金属触媒反応の例は少ない。この様に、合成化学の分野に於いても、早期の解決が望まれている課題は多い
上記の背景のもと、本研究では遷移金属触媒反応の試剤として、従来は利用することが困難と考えられてきた、アルキルハライド、クロロシラン、有機カルコゲン化合物や種々のヘテロ原子化合物を、カップリング反応の基質として含むし新しい触媒反応系の開発を目的とする。その研究対象としては、置換反応のみではなく、不飽和結合への付加を含多成分カップリング反応も含め、効率的な反応制御による有用な合成反応の創出を目指す。また、本研究目的達成の一つの指針として、アニオン性遷移金属錯体を活性種とする触媒反応の構築、および構造的および電子的に柔軟な配位子を利用する触媒反応の効率化を目指す。
|
