2008 Fiscal Year Annual Research Report
らせん制御可能な液晶場での高次ヘリカル構造をもつ共役ポリマーの合成とその機能物性
Project/Area Number |
20225007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
赤木 和夫 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (20150964)
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Keywords | キラル液晶場 / 共役ポリマー / らせん構造 / 高次ヘリカル構造 / 温度制御 / 軸不斉キラル化合物 / キラル / キラル反転 |
Research Abstract |
本研究では、(1)温度によりらせんピッチとキラルセンスが変化するキラル化合物を合成し、これを母液晶に添加して、温度によってらせん方向を可逆的に制御できるキラル液晶反応場を構築する。(2)らせん制御された液晶反応場により、ヘリカルポリアセチレンをはじめとする共役ポリマーのらせんの巻き方向と強度を制御することを目的とする。平成20年度においては、以下の研究項目を実施した。 1. 不斉中心型キラル化合物、および軸不斉部位と不斉中心部位を合わせ持つキラル化合物を合成した。後者の場合、軸不斉部位と不斉中心部位の各旋光性の組み合わせから、三種類の化合物(S体とS体、S体とR体、S体とラセミ体)を得た。2.フェニルシクロヘキシル系ネマチック液晶に、上記二種類の化合物をキラルドーパントとして添加し、キラルネマチック液晶を調製した。3.偏光顕微鏡(POM)観察と示差走査熱量計(DSC)測定により、キラルネマチック液晶特有の指紋状光学模様を確認し、さらにキラルネマチック液晶の相転移温度を決定した。4.温度を変えながら、POM下でキラルネマチックチック液晶のピッチの変化を測定した。既知の変換式を用いて、らせんピッチからヘリカルねじれパワー(β)を評価するとともに、キラル反転が起こっていることを確認した。5.キラルネマチック液晶に触媒を加えて重合活性な不斉反応場を構築して、所定の重合温度に設定してヘリカルポリアセチレンの合成を行った。6.走査電子顕微鏡(SEM)観察により、ヘリカルポリアセチレンのスパイラル形態におけるフィブリル束の間隔を評価した。その結果、不斉液晶場でのキラル反転に伴って、ヘリカルポリアセチレンのらせん方向も反転していることを確認した。
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Research Products
(60 results)