2009 Fiscal Year Annual Research Report
らせん制御可能な液晶場での高次ヘリカル構造をもつ共役ポリマーの合成とその機能物性
Project/Area Number |
20225007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
赤木 和夫 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (20150964)
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Keywords | キラル液晶場 / 共役ポリマー / ヘリカル構造 / 高次構造 / 温度制御 / 軸不斉キラル化合物 / らせん制御 / キラル反転 |
Research Abstract |
本研究は、(1)温度によりらせんピッチとキラルセンスが変化するキラル化合物を合成し、これを母液晶に添加して、温度によってらせん方向を可逆的に制御できるキラル液晶反応場を構築する。(2)らせん制御された液晶反応により、ヘリカルポリアセチレン(H-PA)をはじめとする共役ポリマーの高次らせん構造を制御する。(3)次に、光応答性部位をもつキラル化合物を適用して、光スイッチング機能をもつキラル液晶反応場を構築する。これらの研究を通じて、光による共役ポリマーの高次らせん構造の制御と、円偏光発光などの新機能の発現を目指す。実施した研究内容は以下の通りである。 (1)新規に合成したキラル化合物を母液晶に同時に添加して、温度変化に伴ってらせんの向きが反転するキラルネマチック液晶を構築した。 (2)らせんの向きが既知のコレステリック液晶を標準物質として、本液晶との相溶試験を行い、らせんの向きを判定した。温度によりキラル反転が生じていることを確認した。 (3)キラルネマチック液晶範囲でアセチレン重合を行い、H-PAを合成した。 (4)各温度で合成したH-PAの走査電子顕微鏡観察を通じて、フィブリル形態のスパイラル方向やフィブリル束のねじれ方向が、温度によって反転していることを確認した。 (5)H-PAのCDスペクトルを測定し、コットン効果に正負の逆転が生じていることを確認した。 (6)軸不斉キラル部位とジチエニルエテンなどの光応答性部位を結合させたキラル化合物を合成した。これをドーパントして母液晶に加え、紫外光と可視光の照射によって可逆的にキラル反転する新規のキラルネマチック液晶を調製した。
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