2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20226016
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
福岡 淳 Hokkaido University, 触媒化学研究センター, 教授 (80189927)
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Keywords | バイオマス / 地球温暖化ガス排出削減 / 再生可能エネルギー / 環境技術 / 触媒・化学プロセス / セルロース / ソルビトール / ヘミセルロース |
Research Abstract |
本年度は、まず水素化分解条件下でのセルロース分解によるソルビトール収率向上を目的として、セルロースの結晶化度を下げるために前処理を検討した。セルロースの前処理としてリン酸処理とボールミル処理を行ったが、48時間以上のボールミル処理によりセルロースの転化率が約2倍向上し70〜80%となり、ソルビトール収率が40〜50%になることが分かった。次に、セルロースのグルコースへの加水分解反応を目的とし、担持金属触媒を用いたセルロースの分解反応を検討した。その結果、急熱急冷条件で担持金属触媒を用いたセルロースの分解反応を行うことによりグルコースが高収率で得られることを新たに見出した。触媒なしの場合や担体のみの場合ではグルコース収率が10%未満であるが、アルミナ担持ルテニウム触媒を用いた場合では、グルコース収率が27%、選択率が39%と大きく増加することが分かった。触媒の回収・再使用を目的として各種担体を用いて加水分解反応を行ったところ、メソポーラス炭素を担体として用いると触媒の再使用が可能となることを見出した。さらに、上記の水素化分解および加水分解条件を適用して、農産副産物であるビートファイバー中のヘミセルロース分解反応を検討した。水素化分解条件下ではヘミセルロース部分の加水分解・還元が進行し、アルミナ担持白金触媒では可溶性C5糖・糖アルコールであるアラビノースやアラビトールが生成することが分かった。一方、アルミナ担持ルテニウム触媒ではアラビノースが主生成物となり、アラビトールへの還元は進行しなかった。水素圧をかけないで反応を行うとアラビノースが生成することから、触媒により加水分解が促進されてアラビノースが生成し、水素圧下ではさらに還元が進行してアラビトールになることが分かった。
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Research Products
(23 results)