| Research Abstract |
1.速度分布関数の時間発展を解析する運動論的輸送モジュール(FP)に有限粒子軌道幅効果ならびに径方向電界の効果を取り入れるため,エネルギー,ピッチ角,角運動量を変数とする定式化を行い,新しい運動論的輸送モジュール(FPX)への実装を行った.また,各種行列方程式解法の比較を行い,並列処理による高速化を進展させた.(福山)
2.有限要素法を用いた波動伝播解析モジュール(WF)を開発し,並列処理による高速化を実現するとともに,小型球状トカマクにおける電子サイクロトロン波による加熱・電流駆動の解析を行った.(福山)
3.粒子軌道追跡コード(GNET)を波動伝播解析モジュール(WN)と結合し,速度分布関数の時間発展の解析を行うとともに,ICRF加熱解析に適用した.(村上)
4.GENTコードに運動量を保存する衝突項を導入し,電子サイクロトロン波による電流駆動における電流駆動効率の定量的評価を行った.(村上)
5.磁気島のある平衡配位を記述できる3次元MHD平衡コード(KITE)の開発を進め,プラズマの回転および有限温度効果を取り入れた定式化を行った.また,磁気島の効果を取り入れた輸送方程式の定式化を行い,輸送モジュールへの実装の検討を行った.(福山)
6.ヘリカル系プラズマの時間発展を,流体的輸送モジュール(TR,TX)により解析し,LHDにおける実験データとの比較により乱流輸送モデルの比較を行った.(村上,福山)
7.ITERに向けた統合モデリングコード開発に協力するとともに,APS会合,日米ワークショップならびに国内外の学会等で研究成果を発表し,統合運転シナリオに関するITPA会合を主催した.
8.2名の特定研究員を継続して雇用し,ヘリカル系プラズマの輸送シミュレーション研究や3次元MHD平衡コードの開発等に従事させた.
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
速度分布関数の時間発展を記述する3次元フォッカープランク方程式を解く運動論的輸送モジュールの精密化および高速化が順調に進展している.任意の速度分布関数をもつプラズマにおける波動伝播解析も着実に進んでおり,両者の統合もほぼ実現している.3次元プラズマ平衡の解析モジュールも原型が完成しており,輸送モジュールとの結合の検討も進んでいる.
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| Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成24年度には,運動論的輸送モジュールと波動伝播解析モジュールを結合し,統合シミュレーションを実現する.さらに3次元MHD平衡の効果を取り入れた輸送シミュレーションを行うとともに,計測モジュールや制御モジュールとの結合も実現して,原型炉に向けた統合シミュレーションを進展させる.
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