2009 Fiscal Year Annual Research Report
波長チャネル制御を用いる半導体マイクロリングプロセッサの研究
Project/Area Number |
20226019
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
國分 泰雄 Yokohama National University, 大学院・工学研究院, 教授 (60134839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 太郎 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (40293170)
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Keywords | 微小共振器 / 半導体光増幅器 / 半導体レーザ / 相互変調効果 / 光演算 / 多重量子井戸 / InP / ICPドライエッチング |
Research Abstract |
本研究プロジェクトの2年度目であった2009年度は,半導体光増幅器(SOA)導波路をハイメサ導波路を用いたマイクロリング共振器形状にエッチング加工し,クラッドおよび電極を形成するための基本的設計・製作技術の開発を目指した.一昨年度からの課題として,本研究の量子井戸半導体導波路によるマイクロリング共振器においては,埋め込みクラッド層にBCBなどのポリマーを使うとコアとの屈折率差が大きすぎて,バスライン導波路とマイクロリング共振器の結合率として十分大きな値(0.3程度)が得られない問題があった.この問題の解決のため,結合部に直線導波路部を設けたレーストラック共振器形状を導入して,結合導波路間の溝のエッチング深さを2段階に制御する構造を採用して,結合率を溝幅と深さによって制御する方法を採用した.2009年度はこの2段階エッチング加工技術を確立して,レーストラック共振器構造を製作した.また,結合部において偶モードと奇モードのほかにリーキーモードが励振されるため,多モード干渉によって結合率および結合損失に周期的変化が重畳されることを計算機シミュレーションによって発見して,これをコヒーレント結合と名付けると共に,結合損失が極小値をとる条件を明らかにして,低損失な結号部設計法を確立した.さらにSOA用の量子井戸構造を設計して結晶成長し,利得ピーク波長をほぼ波長1550nm帯にしたSOA用基板の半導体結晶成長にも成功した.これらによって,半導体光増幅器導波路によるマイクロリング共振器の基本的設計技術と製作技術が確立出来た.
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