2009 Fiscal Year Annual Research Report
葉緑体光定位運動における新規アクチン構造の機能解析
Project/Area Number |
20227001
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
和田 正三 Kyushu University, 理学研究院, 特任教授 (60011681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門田 明雄 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (60152758)
鐘ヶ江 健 首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (70264588)
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Keywords | 葉緑体 / 運動 / シロイヌナズナ / アクチン繊維 / 逃避運動 |
Research Abstract |
植物はより効率的に光合成を行うために、弱光下では葉緑体は光に向かって集合し、光障害をさけるために強光からは逃避する。我々は葉緑体運動に必須である、葉緑体と細胞膜の間に存在するアクチン繊維(cp-actin filament)を発見した。またその消長にはCHUP1(chloroplast unusual positioning 1)が関与していることも明らかにした。本年度は葉緑体運動に伴うcp-actin繊維の詳細な解析と、CHUP1の光に依存した挙動を詳細に観察すると伴に、葉緑体運動が欠損した変異体を使用してcp-actinとCHUP1の意義を検討した。野生型におけるcp-actin繊維は強光照射によって一時的に消失するが、葉緑体進行方向前方に出現し、強光域を脱すると非常に多くのcp-actin繊維が重合される。暗黒条件によって重合が増強されると思われる。YFPにより可視化したCHUP1は葉緑体外包膜の細胞膜側に点在し、強光照射によって一時的に消失するが、暗黒下では太い線状の構造を取る。その後の強光照射によって細分化され、葉緑体移動方向に向かって移動し、最後には葉緑体同士が接する場所に一つの塊になって凝集する。このCHUP1の挙動はcp-actin繊維の挙動とほとんど一致しており、CHUP1の変化に伴ってcp-actin繊維が分布や存在状況を変化させていると考えられた。cp-actin繊維は、chup1変異体同様に、kac1kac2二重変異体では全く観察されないこと、しかし両者の細胞内葉緑体分布は全く異なり、chup1変異体では細胞の下に、kac1kac2変異体では細胞の側面に葉緑体が配位することが分った。現在CHUP1とcp-actin繊維を別な蛍光色素によって可視化し、両者の共同を同時に解析するための準備を進めている。
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Research Products
(20 results)