2009 Fiscal Year Annual Research Report
脂質輸送に関与するABC蛋白質の生理的基質と機能の解明
Project/Area Number |
20228001
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
植田 和光 Kyoto University, 物質-細胞統合システム拠点, 教授 (10151789)
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Keywords | ACBタンパク質 / 善玉コレステロール / 生活習慣病 / 動脈硬化 / ケミカルライブラリー / アルツハイマー / タンパク質精製 / トランスポーター |
Research Abstract |
本研究は、疾病に関係したり、重要な生理的機能が予想されるにもかかわらず基質が同定されていないABC蛋白質の生理的基質および生理的役割を解明することを目的とする。本年度は、疾病に関係したり、重要な生理的機能が予想される20種類のマウスおよびヒトABC蛋白質のヒト培養細胞を用いた発現系を構築し、それらについて精製条件の検討を行った。また、ヒトの生理的に重要なABC蛋白質発現ベクター作成し、培養細胞に導入することによって安定発現株を樹立した。善玉コレステロールの形成に必須な働きをしているABCA1に関して分解に関わる因子を探索したところ、タンパク質の脱ユビキチン化に関わる細胞内因子の同定に成功した。善玉コレステロール形成を促進する上で重要なターゲットになると期待できる。さらにABCA1による善玉コレステロール形成機構を詳細に検討した。その結果、ABCA1の特徴的な2つの細胞外ドメイン間に2本のジスルフィド結合が形成されることがHDL形成には必要であり、apoA-IがABCA1の細胞外構造に結合することがHDL形成の第一段階であることを明らかにした。また、胆汁酸がapoA-Iと同様にABCA1によって運ばれる脂質のアクセプターとして機能すること、HDLが血中からなくなる遺伝病であるタンジール病変異の一つであるW590S変異体ではapoA-IのABCA1からの遊離が遅れることなどから、ABCA1によるHDL形成は少なくとも4つのステップに分けられること、ABCA1はトランスポーターと同時にapoA-Iのレセプターとしても機能するユニークなタンパク質であることを明らかにした。
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