2011 Fiscal Year Annual Research Report
超感度ビデオ・マススコープによる1細胞オンタイム分子動態・分子探索
Project/Area Number |
20229003
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
升島 努 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10136054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津山 尚宏 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (10335747)
水野 初 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (30457288)
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Keywords | 1細胞質量分析 / ナノスプレー / ダイレクト細胞分析 / ビデオイメージング / 1細胞分子分析 / メタボロミクス / 細胞分子動態 |
Research Abstract |
1)ビデオ・マススコープの開発と汎用システム化 ナノスプレーイオン源と細胞採取ロボットシステムを合体し、誰でもビデオマススコープとして簡単に操作して使用できるよう汎用化を図った。 2)ビデオマススコープ法の完成へ:ダイレクトな細胞およびピコ滴体液トラップ・ナノスプレーイオン化法と状態特異分子探索法など様々な可能性の開発 最終年の今年度は、本手法の更なる展開を図り、その可能性を検証した。 1細胞分析としては、1)植物細胞への適用とそれによってもたらされる植物工場プロジェクトなどへの展開の可能性の検証、2)動物組織、特に癌組織の直接採取検出法の確立と診断応用への検証、3)汗腺からの汗や、唾液、血液の一滴捕捉による診断法への展開の検証、4)代謝マップへの即時対応ソフトの開発に成功し、その可能性を広げた。キーデバイスのナノスプレーチップも注射針の様なものを開発し、細胞も膜成分の検出にも成功した。 3)1細胞分析の応用展開による可能性の検証と細胞内成分MSデータの蓄積と公開 上記の開発に加え、蛍光イメージング下での分子探索にも適用でき事も証明した。 これらの成果が認められ、NHKサイエンスZeroにも取り上げられ、新聞・ネット報道も多数された。更に、本手法が、創薬の高速・高精度・低コスト化につながると2回の「1細胞分析高速創薬フォーラム」を日本製薬業16社が参加して開催し、その最新データと応用例を公開し、社会貢献の一環とした。現在、得られたMSスペクトルを細胞の状態・部位別に細胞の画像とともに蓄積したので、今後の細胞分子生物学や生命科学全体の大きな情報基盤にする為、世界初の1細胞質量分析データベースとして公開する予定である。
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