2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20229007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菊谷 仁 Osaka University, 微生物病研究所, 教授 (80161412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安居 輝人 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (60283074)
水井 理之 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (30423106)
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Keywords | セマフォリンファミリー / 分子標的 / T細胞 / 免疫制御 |
Research Abstract |
セマフォリンファミリーは神経軸策に対して化学反発活性を発揮する分子群であるが、多くのメンバーが免疫反応の制御においても機能していることが明らかになっており、セマフォリンとその受容体が自己免疫疾患やアレルギー疾患などの免疫病の発症や病態にも深く関与している可能性が考えられる。Sema4DはB細胞や樹状細胞の活性化を促進し、液性免疫並びに細胞性免疫に寄与することが明らかになっている。本年は、多発性硬化症のマウスモデル、多発性硬化症(EAE)の発症におけるSema4Dの役割を解析した。リコンビナントSema4D-FcはCD40刺激によるミクログリアのiNos発現やNOの産生を有意に上昇させた。Sema4Dの受容体としてはPlexin-B1とCD72が知られている。これらの発現を解析したところ、EAEを発症した脊髄においてPlexin-B1は発現していたが、CD72の発現は認められなかった。また、Sema4AはCD72欠損マウスのミクログリアのNO産生をしたが、PlexinB1欠損マウスのミクログリア細胞を活性化できなかった。Plexin-B1欠損マウスと野生型マウスにMOGペプチドによりEAEを誘導しその症状を比較したところ、Plexin-B1欠損マウスのEAEの症状は有意に軽度であった。これらの結果から、Sema4DはPlexin-B1を介してミクログリアの活性化を増強することによりEAEの病態に深くかかわっていることが明らかとなった。活性化T細胞上のSema7Aは□1□1インテグリンを介してマクロファージを活性化させT細胞依存性炎症反応の引き金を引くことが明らかになっている。本年度は、Sema7Aに対するモノクローナル抗体を作成し、その生物活性を阻害する抗体を得た。これらの抗体は、Sema7Aを分子標的とした炎症疾患の治療実験を行う上で有用なツールとなると思われる。
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