2008 Fiscal Year Annual Research Report
内軟骨性骨形成過程における転写制御ネットワークシステムの統合的理解
Project/Area Number |
20229010
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
米田 俊之 Osaka University, 大学院・歯学研究科, 教授 (80142313)
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Keywords | Sox9 / 軟骨分化 / 転写制御 / Runx2 |
Research Abstract |
1.Sox9転写ファクトリー構成因子の同定と機能解析 軟骨形成に必須の転写因子Sox9が形成する転写ファクトリーの構成分子として、Arid5Aを既に同定しており、その機能解析を進めた結果、Arid5Aは、Sox9と転写ファクトリーを形成し、軟骨細胞分化を制御することが明らかとなった。そこで、Arid5A遺伝子欠損マウスを作製し、その表現型を解析した。Aird5A遺伝子欠損マウスは、正常に発育し、軟骨形成過程においても異常は、認められなかった。In vitroおよびin vivoの実験結果の相違を理解するために、Arid5Aのファミリー分子の機能を検索した結果、Arid5Aと最も相同性が高いArid5Bが、Sox9の転写機能を著明に促進した。したがってArid5Bは、生体内ではArid5Aの機能を代償していると推定された。そこで、Arid5B遺伝子欠損マウスを入手し、解析した結果、Arid5B欠損マウスでは、成長阻害が観察された。したがってArid5Bは、Arid5Aと同様に軟骨形成に深く関与していると示唆された。Arid5AとArid5Bのダブルノックアウトマウスの解析がAridファミリーの内軟骨性骨形成における重要性を導くと期待される。 2.Sox9の下流分子の探索 Sox9、Sox5、Sox6を未分化間葉系幹細胞株C3H10T1/2に過剰発現し、マイクロアレイを実施した。その結果、Sox9の標的遺伝子としてDmrt2が同定された。Dmrt2は、前肥大軟骨細胞から肥大軟骨細胞に強く発現していた。さらにDmrt2の過剰発現は、軟骨細胞の後期分化を促進する一方で、Sox9の転写機能を抑制した。したがって、Dmrt2は、内軟骨性骨形成を時空的に制御し、増殖軟骨から肥大軟骨へのスイッチング機能を担っていると示唆された。
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Research Products
(5 results)