Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小花 貞夫 (株)国際電気通信基礎技術研究所, 適応コミュニケーション研究所, 所長 (60395043)
水野 忠則 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (80252162)
萬代 雅希 静岡大学, 情報学部, 講師 (90377713)
四方 博之 (株)国際電気通信基礎技術研究所, 適応コミュニケーション研究所, 主任研究員 (00510124)
石原 進 静岡大学, 情報学部, 准教授 (10313925)
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Research Abstract |
本年度は,以下の項目に関して研究を推進した. 1)指向性MAC,ルーティングの高度化 1A)指向性MACの高度化 指向性アンテナは,空間利用効率向上のメリットを得られることは確認されているが,デフネス問題等により,マルチホップ環境では十分な性能を得られない.今年度は,デフネス問題への対処法として,代理端末によるオポチュニスティック型通信方式DOMACを開発した.この方式により,従来方式DMACに比べて1.5倍以上のスループット向上が確認できた. 1B)マルチキャストおよびブロードキャストの高度化 従来の国内外の研究では,スマートアンテナビームは単一のメインローブを利用している.しかし,複数のメインローブを持つビームパターンやヌルを効果的に制御すればマルチキャストやブロードキャストの性能向上が見込まれる.そこで,(1)複数指向性を効果的に利用するマルチレートマルチキャスト方式および(2)メインローブとヌルを同時利用するマルチレートMAC方式を開発した. 1C)指向性ルーティングプロトコルの高度化 デフネス問題にルーティングで対処する方式として,単一ルートに時間差をおいて送信するモデレート送信方式および複数ルートに交互にパケットを送信するオールタナティブキャスト方式を開発した.これらにより,1.6倍程度の性能向上を示した. 2)階層型ネットワークの開発およびアンテナの指向性を利用する階層型ネットワークのテストベッドの開発と実証実験 従来の基礎検討で得られたスループット特性をベースとして,UNAGIとMICA moteを用いた階層型ネットワークを構築し実証実験を行った.この実験により,指向性アンテナノードを部分的に使用することにより,通信の効率化とともにコストパフォーマンスの高いシステム構成が可能となることを実証的に示した.また,階層化センサネットワークにおける中継端末にスマートアンテナを利用し,この指向性をすべての中継端末で同期させることで,中継端末間の距離を大きくし,中継端末コスト,システム消費電力の低減を実現する方式を設計した.さらに,USRP2/GnuRadioによる実験準備として,特定実験試験局(免許番号海実第2285-2288)の取得および基礎実験を行った. 3)アプリケーションの検討 階層型ネットワークのアプリケーションの一つととて,M2Mのアクセスネットワークへの応用を検討した. 以上の成果は電気学会,電子情報通信学会,情報処理学会等の論文誌,研究会,全国大会等で発表した.発表者は電気学会優秀論文発表賞,情報処理学会学生奨励賞などを受賞した.
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