2010 Fiscal Year Annual Research Report
アンテナの指向性を利用するユビキタスインフラストラクチャに関する実証的発展研究
Project/Area Number |
20240005
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
渡辺 尚 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (90201201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小花 貞夫 (株)国際電気通信基礎技術研究所, 適応コミュニケーション研究所, 所長 (60395043)
水野 忠則 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (80252162)
萬代 雅希 上智大学, 理工学部, 准教授 (90377713)
四方 博之 関西大学, システム理工学部・電気電子情報工学科, 准教授 (00510124)
石原 進 静岡大学, 創造科学技術大学院, 准教授 (10313925)
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Keywords | ユビキタスネットワーク / アドホックネットワーク / メディアアクセス制御(MAC) / スマートアンテナ |
Research Abstract |
本年度は,以下の項目に関して研究を推進した. 1) 指向性アンテナを利用した可変ビットレートネットワークコーディング方式の開発:指向性アンテナを用いることによって高い送信レートでのマルチキャストを行い,ネットワークコーディングでのスループットをさらに向上させる手法を開発した.無指向性アンテナでのネットワークコーディングは低送信レートでのマルチキャストによってスループットが低下する可能性があるが,提案方式は指向性ビームを用いた高送信レートでのマルチキャストによってこの問題を解決し,スループットを図る.計算機シミュレーション,テストベッドによる実験により評価した結果,従来方式よりスループット性能が向上することを明らかにした. 2) 端末移動に伴う指向性通信の性能と改善方式の開発:指向性ビーム幅がネットワーク性能に与える影響をシミュレーションで評価と考察を行った.この結果を用い,端末移動とトラフィックフローによってビーム幅を適応的に決定する方式を提案した.性能評価から,ビーム幅の適応的な決定により,移動速度が大きいときやトラフィックフローが多いときに,一定のビーム幅を用いるより高いスループットを実現できることを明らかにした. 3) メインローブとヌルの両者を制御する通信方式の開発:メインローブとヌルの両方を組み合わせたビームパターンを利用する.MACプロトコルを提案した.提案手法では,メインローブの方向とヌルの方向を計算した複数個のビームパターンをあらかじめ計算する.そして,RTS受信時の状況に応じて最適なビームパターンを選択する.そして,所望方向へ高いアンテナ利得を得つつ干渉端末方向へのアンテナ利得を低くすることで高いスループットを実現する.シミュレーションによる評価で,提案手法では約15%スループットが向上していることを示した. 4) テストベッドによる実機実験:テストベッドの4台の端末を用いて,同方向並行型、逆方向並行型、交差型のトポロジーで実験を行った.その結果、端末ペア問距離が20-40mの場合に指向性アンテナの効果が高いことを明らかにした。また、逆方向並行型は干渉が大きくなるため同方向並行型よりも性能が劣化することを明らかにした.以上の成果は,電子情報通信学会,情報処理学会等の論文誌,研究会,全国大会等で発表した.
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Research Products
(28 results)