2010 Fiscal Year Annual Research Report
大規模ユビキタスネットワークのリアルタイム・シミュレーション技術の開発
Project/Area Number |
20240006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
東野 輝夫 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (80173144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 弘純 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (80314409)
梅津 高朗 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (10346174)
廣森 聡仁 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (90506544)
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Keywords | ネットワーク性能評価手法 / 無線ネットワーク / アドホックネットワーク / ネットワークシミュレーション / 災害シミュレーション / 大規模シミュレーション / 歩行者モビリティ / 行動モデル |
Research Abstract |
本研究では、都市環境においてユビキタス通信機能を利用することで人や車の行動がどのように変化するかを迅速に予測・評価できるようにするため、十万ノード規模で人や車が移動する現実的な都市環境を構築し、ユビキタス通信機能を利用したネットワークシステムをできるだけ忠実且つ高速にシミュレーションするための技術開発を行うことを目的としている。今年度は、前年度に提案した無線ネットワークシミュレーションの高速化手法を発展させ、複数の計算機を利用し、大規模な無線ネットワークを対象としたシミュレーションを実現する方法を考案した。ネットワークシミュレーションでは、MAC層における通信待機時間を導出するために、パケットを送信する度に、周辺ノードの通信状態を確認する処理が必要となる。その際,周辺ノード数の二乗に比例する計算時間が費やされるが、複数の計算機を利用する場合には、さらに計算機間の通信オーバヘッドが必要となる。提案手法では、各ノードが生成するネットワークトラフィックを確率分布としてモデル化し、周辺ノードによる通信の影響を予め数理的に計算することにより、シミュレーション時の通信オーバヘッドを大幅に削減している。評価実験では,従来方法と比較し、通信オーバヘッドを1/6に削減し、大規模なネットワークを対象としたシミュレーションを高速に実行できることを示した。また、ネットワークトラフィックが飽和していない状況においては、提案手法により、ほぼ正確な通信待機時間が導出され、シミュレーション精度が維持されていることを確認した。さらに、ネットワークトラフィックが飽和している場合においても、提案手法を部分的に使用することで,シミュレーションの精度を保ちつつ、シミュレーション実行時間を削減できることを示した。
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Research Products
(5 results)