Research Abstract |
ライフログデータについて,個人で記録・解析するだけでなく、他者とデータを共有し合うことによって新たな応用の展開を誘発する試みに継続して取り組んだ.具体な対象を絞り,個人が携帯するマルチメディア機器から取得した情報を用いて,ユーザ画像からの屋内位置の同定そのためのインタラクティブなシステムの構築と評価実験,そして,画像(特に食事画像)に基づく食の内容評価,クラスタリング解析,ソーシャルメディアの検索クエリといった課題に対して取り組んだ.なお,本研究での基盤をもとに,CRESTでのプロジェクトを展開することができ,そこでは,食事画像を集積し,食のライフログを一覧する仕組みを構築している. 1.ライラログデータの処理に向けた取り組み *画像からの屋内での位置検出:ユーザの取得する画像をもとに,その画像対象を同定することで,位置の検出を行った.昨年から引き続き,鉄道博物館を舞台とし,あらかじめ参照画像データセットを構築し,参照画像との高速マッチングを行った. *インタラクティブシステムの構築:鉄道博物館を対象とした位置同定の実験のために,一般ユーザがタブレットPC上で携帯利用可能なシステムを構築し,一般利用の環境下での実験を行った. *食事記録のマルチメディア処理;画像及びコンテキスト情報を用いて,食事記録の内容評価を進めた. 2.ライフログデータの共有化にむけて *ソーシャルメディアのクエリに関する検討:時間性,空間性,人の繋がりを考慮して,マルチメディアコレクションを検索する手法について提案し,プロトタイプを構築し,人の旅の移動パターンの検索を行った. *食事画像群のクラスタリング解析:20余名のユーザに対して,1か月分の食事画像データを解析し,重み付空間ピラミッドマッチングと多段階での類似評価を行うことで,画像の類似性に基づくラスタリングを行った.混在データでの評価を行い,平均して90%以上の割合での分割を行うことができた.
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