2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロミラーアレイによる受動結像光学素子の開発およびその応用に関する研究
Project/Area Number |
20240013
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
前川 聡 National Institute of Information and Communications Technology, 知識創成コミュニケーション研究センターユニバーサルシティグループ, 主任研究員 (60358893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 大介 大阪市立大学, 工学研究科, 准教授 (60264800)
仁田 功一 神戸大学, 工学部, 助教 (20379340)
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Keywords | 2面コーナーリフレクタアレイ / 空間映像 / インタラクションシステム / 体積走査型立体ディスプレイ / DMD / 独裁者ゲーム / 社会的距離 |
Research Abstract |
2面コーナーリフレクタアレイ光学素子の結像性能を、回折現象の観点から解析した。定量評価を行うためのシミュレータを開発し、光源の位置と点像拡がりの関係を調べた。その結果、実験結果と整合した3次元結像特性が得られた。また、物体の位置とリフレクタの開口径の関係を考察し、用途により開口径を適切に設計することが重要であることを示した。 本光学素子の応用システムとしては、赤外線タッチパネルを利用した空間映像インタラクションシステムを作成し、空間映像に対する操作を可能とした。本システムにおいては、実体物であるロウソクに仮想的な空間映像としての炎を表示することができ、その炎に触れて揺らすことが可能である。上下左右の視点移動によっても炎とロウソクの位置関係は崩れないため、実在感が非常に高く、観察者が思わず吹き消そうとする行動などが観察できた。 また、ガルバノミラースキャナによる体積走査型3次元空間映像ディスプレイの試作を行い、DMDを用いて表示を行うことに成功した。従来使用していた凹面鏡と違って歪みが生じないため、自然な3次元実像が形成可能であることを確認した。 空間映像の認知に関する研究としては、LCD画像と空間映像の2条件にて人物の静止画像を被験者に提示し、独裁者ゲームを行ったところ、統計的に有意(p<0.05)こ空間映像条件において、より多くの額を支払うことが認められた。つまり、これは空間映像によって人物画像を提示するだけで、社会的距離を縮めることができることを意味し、空間映像の提示だけであってもコミュニケーションの質を変えることができる可能性を示唆している。
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