2009 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロミラーアレイによる受動結像光学素子の開発およびその応用に関する研究
Project/Area Number |
20240013
|
Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
前川 聡 National Institute of Information and Communications Technology, ユニバーサルメディア研究センター超臨場感システムグループ, 主任研究員 (60358893)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 大介 大阪市立大学, 工学研究科, 准教授 (60264800)
仁田 功一 神戸大学, 工学部, 助教 (20379340)
山川 義徳 京都大学, 情報学研究科, 特任助教 (80447945)
|
Keywords | 2面コーナーリフレクタアレイ / 空間映像 / インタラクションシステム / 体積走査型立体ディスプレイ / ガウスビーム分解法 / 気流の検知 / 信頼構造 / 回転プリズムシート |
Research Abstract |
2面コーナーリフレクタアレイ(Dihedral Corner Reflector Array,以下DCRA)の結像解析において,Fresnel-Kirchhoffの回折式に基づく計算では,計算コストが問題となっていた.そこで,代替法としてガウスビーム分解法に着目し,その検証を行った結果,ガウスビーム分解法が,コーナーリクレクターの解析において,Fresnel-Kirchhoffの回折式と同等の結果を与えること,計算時間を大幅に短縮できることを示した. DCRAを用いた体積走査型3次元表示装置の開発を行った.3次元走査の手法としてガルバノミラーと回転プリズムシートを利用した.表示デバイスとしてはデジタルマイクロミラーデバイスを利用し,3次元物体の断面像を毎秒8000フレームで順次切替えて表示することにより,3次元実像を形成した.走査距離の違いによる輝度ムラを検証し,補正処理を行った. 応用インタラクションシステムとしては,対面者同士が空中映像の空間位置を共有可能なインタラクションシステム,およびレーザー光を用いて空中映像位置における気流の検知を行って,息による空中映像インタラクションシステムの作成をおこなった. また,DCRAによる実像と既存の液晶表示装置の間で他者への信頼構造が変化するかを認知心理学的に分析した。結果、既存の表示装置では知性が信頼を構成し、実像においては社交性が信頼を形成していた。これらの結果は、知性的な人は既存の表示装置を、社交的な人は実像を組み合わせることで、よりうまく信頼を形成できる可能性を示しており、円滑なコミュニケーション実現する基盤になると考えられる。
|