2008 Fiscal Year Annual Research Report
情報科学・計算機科学における描像の可視化に関する研究
Project/Area Number |
20240020
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 真人 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (90233345)
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Keywords | 情報統計力学 / 可視化 / 次元圧縮 / クラスタリング / 大規模データ |
Research Abstract |
本研究の目的は,経験や学習から形成されるヒトの心の中の描像(picture)を,数値計算や計測のデータから客観的手法で可視化する手法を研究することである.具体的には,情報科学と計算機科学での描像を,物理学のスピン系で発展した手法を用いて可視化する. H20年度は,低密検査符号(LDPCC)と連想記憶モデルの可視化および新しい可視化手法の開発を行った.LDPCはShanonn限界近くまでの性能を持ち,しかもアルゴリズム的にも優れており,次世代携帯電話にも用いられる,理論的にも実際的にも意味のある誤り訂正符号である.まずShanonn限界に対応する復号可能領域と不可能領域の境界を挟んだ二点でマルコフチェーンモンテカルロ(MCMC)法を行った。次にMCMCで得られたデータに主成分分析(PCA)を適用した.PCAでの第二主成分まで張られる平面上に事後分布を周辺化して,その頻度分布を観察した.その結果,復号可能境界を挟んで周辺化事後分布が全く異なった振る舞いをすることがわかり,さらにその違いを可視化することに成功した.また得られたPCAの平面は,復号可能境界を挟んで互いに直交関係にあることがわかった.これは単なるデータ解析手法であるPCAが相転移現象を検出する手法になり得ることを示唆している.そこで,この手法を複雑な相転移構造をもつ連想記憶モデルに適用して,この方法め相転移現象検出能力を現在調査中である. 我々は以前にクラスタリングと次元圧縮を同時に行うアルゴリズムを提案している.我々が取り扱っている問題の次元は非常に大きく,このアルゴリズムをそのまま適用することは難しい,そこでこの問題に適した近似手法を開発し,現在その性能を調べている.
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Research Products
(5 results)