2010 Fiscal Year Annual Research Report
情報科学・計算機科学における描像の可視化に関する研究
Project/Area Number |
20240020
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 真人 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (90233345)
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Keywords | 情報統計力学 / 可視化 / 次元圧縮 / クラスタリング / 大規模データ |
Research Abstract |
本研究の目的は,通常はヒトが脳の中でしか描くことができない描像(picture)の概念図を,高次元データ解析手法により客観的に描く手法を研究することである.経験と学習に基づく豊かな知識体系を基盤におく描像を,実際に画像として描くことは一般には難しいが,情報科学と計算機科学における描像は,物理のスピン系で発展した手法を用いて可視化できる.本研究は,描像の可視化にもとづき,情報科学・計算機科学の理解に新たな切り口を与えるものである. 平成22年度では,前年度に引き続き連想記憶モデルの可視化の研究を行った.まず,統計力学的手法により連想記憶モデルの相図を求めた.また,交換モンテカルロ法によるサンプリングを行い,主成分分析(PCA)および混合ベルヌーイ分布によるクラスタリングによりデータ解析を行った.その結果,大域的な定常解や転移点が精度よく求められ、系の描像の可視化に成功した. また,上記の解析手法を組み合わせ最適化問題の一つであるK-SAT問題に適用した.系の性質を調べる方法として,連想記憶モデルの可視化で確立した交換モンテカルロ法によるサンプリングをK-SAT問題に適用した.得られたサンプリング結果に主成分分析(PCA)を行ったところ,K-SATは充足数の増加に伴い,解が容易に見つかるEasy-SAT状態,解が存在するが解を見つけるのが難しいHard-SAT状態,解が存在しないUn-SAT状態の三つの状態を特徴づける可視化に成功した.
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Research Products
(7 results)