2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20240030
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
山森 哲雄 National Institute for Basic Biology, 脳生物学研究部門, 教授 (80260206)
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Keywords | 遺伝子発現 / 視聴覚統合 / V2L / 大脳皮質 / 領野 |
Research Abstract |
動物の脳は、複数の感覚チャネルからの情報を統合することによって、より素早く正確な運動を可能にしている(multisensory facilitation)。本研究課題の一つとして、我々は、脳のどこで視覚と聴覚情報が統合され、どのようにして素早い運動が可能になるのか、その神経機構の解明を目的とした研究を行っている。ラットに視聴覚統合課題を行わせたときに大脳皮質においてc-Fos遺伝子の発現を調べ、V2L(第二次視覚野外側領域)で、視聴覚統合刺激で特異的に発現が増加することを見いだした。更にムシモール(抑制性神経の活動を促進し興奮性神経の活動を抑える)を投与しこの領域の電気的活動を押さえたところ視聴覚統合課題のみが特異的に抑制されることを見いだした(Hirokawa J,Bosch M,Sakata S,Sakurai Y,Yamamori T.Neuroscience 2008,153:1402-1417)。 また、以前に我々が開発したCorticalBox法を用いてラットの大脳皮質に発現する3種類の遺伝子(RORb,ER81,Nurr1)の発現パターンを解析して、これらの遺伝子はお互いに相補的・排他的な発現パターンをしていることを明らかにし、大脳皮質における遺伝子発現によりげっ歯類における大脳皮質領野を自動的に描出されることを見いだした(Hirokawa J,et al.,2008,PLoS ONE 3(9):e3266)。
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Research Products
(8 results)