Research Abstract |
我々は、霊長類の大脳皮質領野特異的に発現する遺伝子の解析により、霊長類の大脳皮質の特質を解明したいと考えて研究を行っている。その結果、大脳皮質視覚野に特異的に発現する遺伝子occ1(Tochitani et al.,Eur.J.Neurosci.,13,297-307,2001),testican-1/2(Takahata et al.,Cereb.Cortex.,16,929-940,2006)としてセロトニン受容体1B/2A(Watakabe et al.,Cereb.Cortex.,17,1918-1933,2007)や連合野特異的に発現する遺伝子Rbp(Komatsu et al.,Cereb.Cortex.,16,929-940,2005)、SPARC(同上),PNMA5(Takaji et al.,Cereb.Cortex.,19,2865-79,2009),SLIT1(Sasaki et al.,Cerebral Cortex,in press)の報告を行ってきた。これら霊長類の領野特異的発現遺伝子は、大別すると視覚野特異的に発現するもの(occ1,testican-1/2,5HT1B/2A)と連合野特異的に発現するもの(Rbp,SPARC,PNMA5,SLIT1)の2群に分けられる。本年度は、ウイルスベクター等を用いた遺伝子導入法によりこれらの遺伝子のgain of functionやloss of function法により、これらの遺伝子の生理的な機能を明らかにする為の基盤的研究を尾上浩隆と共同で研究を行っている。今年度は,特に、AAVウイルスベクター法によるshRNA導入によるloss of functionの評価系の確立をPETを用いて行い、標的遺伝子の優位な低下をマーモセット生体で確認した。
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