2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20240032
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
林 康紀 The Institute of Physical and Chemical Research, シナプス機能研究チーム, チームリーダー (90466037)
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Keywords | シナプス可塑性 / 樹上突起棘 / 細胞骨格 / コフィリン / アクチン / カルシウム / カルモジュリン依存性蛋白質リン酸化酵素(CaMKII) / 海馬スライス / 二光子レーザー顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究期間は昨年の研究期間中、cofilinがシナプスへ急速へ移行する事を観察したことから、その方向へ大きな転回を遂げた。様々なシナプス蛋白のLTPに伴うシナプスへの移行を検討する為、AMPA受容体、actin、cofilin、profilin、actinin、drebrin、CaMKII、SAP97、PSD-95、Shank、Homer1BをそれぞれGFP融合蛋白として海馬CA1錐体細胞に発現した。同時にRFPを共発現し、樹状突起スパインの体積と形状をモニターした。スパインは籠化グルタミン酸存在下にて二光子レーザーを短時間照射する事によりこれらの蛋白のうちcofilinとactinが体積に比例する以上にスパインに移行した。Actinin、drebrin、CaMKIIは2-3分の遅れをもってスパインに移行し、それはほぼ体積に比例した物であった。一方で、SAP97、PSD-95、Shank、Homer1Bは殆どスパインに移行しなかった。これらの蛋白質を種類別に考えると、アクチンとその結合蛋白が樹状突起スパインの構造可塑性、特にその初期に深く関与する事が分かる。一方で、所謂足場蛋白は殆どシナプスへ移行しなかった事から少なくとも初期の構造可塑性には関わらないと考えられた。次にcofilinが如何にシナプスへ移行するのかを調べる為にphotoactivatable GFPを用い、cofilinのturnoverを観察した所、刺激後30分までcofilinがシナプスに結合している事が分かった。Cofilinは濃度によりいくつかの作用が有り、最近の精製標品を用いた研究からは低濃度ではアクチンを脱重合させる一方、高濃度ではアクチン重合を促す事が知られており、コフィリンの濃度の上昇はアクチンの重合化、ひいてはスパインの拡大に寄与している物ご推察された。
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[Journal Article] The postsynaptic density proteins Homer and Shank form a polymeric network structure2009
Author(s)
Hayashi, M.K., Tang, C., Verpelli, C., Narayanan, R., Stearns, M.H., Xu, R.-M., Li, H., Sala, C., Hayashi, Y.
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Journal Title
Peer Reviewed
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