2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20240043
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鄭 雄一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30345053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 崇匡 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (70456151)
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Keywords | 生体材料 / トランスレーショナル・リサーチ / 再生医学 / 生理活性 |
Research Abstract |
オーダーメード型人工骨に関しては、連通孔を開ける位置を軟部組織の側に設けると、軟部組織の侵入によりかえって骨再生が妨げられること、連通孔は骨の断端を結ぶように作成すると良いことを明らかにした。テトラポッド型微小人工骨に関しては、欠損部に埋植した際の強度を計測し、従来の人工骨よりも初期強度が高いことを明らかにした。 バイオセンサーによる骨形成性生理活性物質同定を継続し、いくつかの低分子化合物を同定した。それらの作用機序の分子生物学的解析を行い、BMP依存性の骨誘導効果があることを明らかにした。同定した薬物をリン酸カルシウム製人工骨に付与する際の最適な送達制御法に関しては、低分子化合物においては、とくにDDSを用いずとも、薬物は人工骨に担持され、1週間から1ヶ月の時間で徐放されることが明らかになった。 以上の結果を踏まえて、インクジェットプリンターを用いて、生理活性物質を適切な送達システムとともに望みの位置に望みの量噴霧した人工骨の作製を試みた。作製した人工骨に関して、マウスを用いた実験による安全性・有効性の検証を継続して行った。C57BL/6マウス頭蓋骨臨界骨欠損(直径5mm)に埋植し、その骨誘導性、生体親和性、免疫反応について血液生化学的、組織学的、放射線学的に評価した。埋植1、2、3週後、1、2、4、6ヶ月後に安楽殺し、血液生化学的検討と埋入部の肉眼的及び放射線学的(X線、CT)評価とともに、組織切片(脱灰及び非脱灰)を作製してHE染色、von Kossa染色、I型コラーゲン・オステオカルシン免疫染色などで骨再生を評価したが、昨年度のパイロットと同様に、良好な骨再生誘導が見られた。そのため、ビーグル犬の頭蓋骨欠損(径2cm)を作成して人工骨を埋植したところ、途中経過では、高濃度の生理活性物質を投与した群で良好な結果が得られている。今後、実験を継続していく予定である。
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