2008 Fiscal Year Annual Research Report
全身投与によるsiRNAデリバリーを実現するためのマルチ機能化高分子ミセルの創製
Project/Area Number |
20240046
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
片岡 一則 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (00130245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 伸宏 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (10372385)
位高 啓史 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特任講師 (60292926)
石井 武彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (80415075)
宮田 完二郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (50436523)
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Keywords | ドラッグデリバリー / 高分子ミセル / siRNA / がん治療 / 機能ポ性リマー |
Research Abstract |
siRNA内包高分子ミセルの内核構造の安定化を目的としてPEG-poly(L-1ysine)(PEG-PLL)のPLL側鎖に疎水性基(コレステリル(Chol)基およびステアロイル(ST)基)を導入したところ、高分子ミセルの血中滞留性が向上し、Chol基を24%導入した系においては投与1時間後に約60%投与量/mL血漿の血中濃度が実現された。一方、標的細胞への効率的なsiRNA導入を実現するためのポリマーの設計に関しては、PLLおよび低毒性かつ効率的な遺伝子導入を実現する側鎖に1,2-ethanediamine構造を有するPAsp(DET)の側鎖一級アミノ基にST基を導入したポリマーを合成し、そのin vitroにおけるsiRNA導入効率を評価した。その結果、レポーター遺伝子のみならず治療標的となる内在性遺伝子(VEGF, Bcl-2)もこれらの疎水基導入ポリマーによってノックダウンできることが明らかになった。また、標的細胞に対するsiRNAの導入効率を高めるための異なる手法として、内核にジスルフィド架橋を搭載したsiRNA内包高分子ミセルの表面に環状RGDペプチドを導入した。その結果、αvβ3インテグリンを過剰発現するHeLa細胞のLuciferase(Luc)遺伝子安定発現株を用いたin vitro実験において、リガンドの導入によるLuc遺伝子のノックダウン効果の向上が認められた。さらに、 siRNAキャリアのin vivoの評価系の構築に関しては、Luc安定発現細胞(B16Fl0-Luc細胞)の肺転移モデルを作製し、siRNAキャリアの全身投与後に肺におけるLuc発光量の減少からin vivoにおけるノックダウン効率を評価する方法を確立した。
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Research Products
(30 results)