2009 Fiscal Year Annual Research Report
全身投与によるsiRNAデリバリーを実現するためのマルチ機能化高分子ミセルの創製
Project/Area Number |
20240046
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
片岡 一則 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00130245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 完二郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (50436523)
長田 健介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任講師 (10396947)
山崎 裕一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (00322678)
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Keywords | ドラッグデリバリー / 高分子ミセル / siRNA / がん治療 / 機能性ポリマー |
Research Abstract |
(1)siRNA内包高分子ミセルの構造安定化のためのキャリア設計に関しては、蛍光相関分光法によるsiRNAキャリアの10%血清中での安定性評価を行い、siRNA/PAsp(DET)複合体は速やかに解離するが、siRNA/PAsp(DET-ST)複合体は3時間以上安定であることが明らかになった。その結果、siRNA/PAsp(DET-ST)複合体は、効率的に細胞内に取り込まれることが確認され、その結果として優れたRNAi活性が達成されたものと考えられる。また、siRNA/PAsp(DET-ST)複合体を全身投与系に応用するために、SS結合を介してPEGを連結したPEG-SS-PAsp(DET-ST)を合成し、生体内環境でPEGが脱離するナノキャリアを構築した。さらに、新しい分子設計としては、ポリアスパラギン酸(PAsp)の側鎖にSS結合を介してsiRNAを導入したPAsp(SS-siRNA)を開発した。PAsp(SS-siRNA)は、高分子量化されたことによってPAsp(DET)とも安定な会合体を形成し、細胞毒性やサイトカイン産生を示すことなく、優れたRNAi活性を示すことが明らかになった。(2)siRNA活性向上のためのポリマー構造の最適化に関しては、環状RGDペプチドを搭載したSS架橋型siRNA内包高分子ミセルによってRNAi活性が向上することが確認された。また、αvβ3インテグリン過剰発現細胞(MDA-MB-435)を用いることによって環状RGDペプチド搭載ミセルの取り込みが大幅に向上することも確認された。(3)siRNAキャリアのin vivo評価に関しては、ルシフェラーゼ(Luc)遺伝子発現B16F10細胞の肺転移モデルに対してsiLucをi.v.投与する実験系を確立し、上述のPEG-SS-PAsp(DET-ST)/siRNAミセルが効率的な遺伝子ノックダウンを示すことが確認された。
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Research Products
(35 results)