2010 Fiscal Year Annual Research Report
パルス超音波と微小気泡を用いたin vivoソノポレーション法の開発
Project/Area Number |
20240053
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
工藤 信樹 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (30271638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 亮 帝京大学, 薬学部, 講師 (90384784)
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Keywords | ソノポレーション / 超音波治療 / 遺伝子導入 / ドラッグデリバリ / 微小気泡 / タイムラプス観察 / 光ピンセット / ターゲティング気泡 |
Research Abstract |
(1)微小気泡の捕捉能を向上させることを目的に,光ピンセット装置に空間光変調器を組み込んだ.気泡捕捉用の光ビームを中空のドーナツ形とすることにより微小気泡の安定な捕捉を実現した.NAの小さい10倍の対物レンズでも100mW程度の光出力で直径1-3μmの気泡捕捉が実現できた.ソノポレーション実験を行い,細胞上での気泡の移動,細胞損傷部位や程度の制御が可能であることを確認した. (2)長期間のタイムラプス観察において,細胞の状態が予期せぬ劣化を起こし,実験が継続できなくなる問題が生じた.原因を種々調査した結果,観察チャンバへの細胞取り付け方法に問題があることが判明した.この点を改善した新たな観察チャンバを開発し,20時間の連続観察がほぼ100%実現できるようになった. (3)我々他提案するソノポレーション手法において,気泡に抗がん剤などを付加することの有用性について検討した.まず,抗がん剤を内包するリポソーム製剤を気泡化する試みを行ったが,気泡内の薬剤がほとんど残留しないことを確認した.次に,シェルに蛍光染料を付着させた気泡を開発し,これを用いてソノポレーション実験を行った.その結果,蛍光染料が非常に高い頻度で細胞に移行することが確認された. (4)抗がん剤を懸濁した培養液中でソノポレーションを行い,その後の経過を長時間タイムラプス観察することで,ポレーション時の細胞の変化とその後のアポトーシス発生を関連づける検討を開始した.抗がん剤の種類や細胞の種類によりアポトーシス発生率に違いが生じることを確認した.
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