2010 Fiscal Year Annual Research Report
Mirror Neuron Systemに注目した経頭蓋磁気刺激治療の最適化
Project/Area Number |
20240056
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
出江 紳一 東北大学, 大学院・医工学研究科, 教授 (80176239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 健男 東北大学, 病院, 講師 (30282130)
永富 良一 東北大学, 大学院・医工学研究科, 教授 (20208028)
虫明 元 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80219849)
大内田 裕 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (80510578)
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Keywords | 脳卒中 / 片麻痺 / 運動制御 / 治療 / 経頭蓋磁気刺激 |
Research Abstract |
本研究では、慢性期片麻痺に対して、模倣運動を利用した運動学習に関与する脳内神経基盤であるMirror Neuron System(以下MNS)の機能を経頭蓋磁気刺激法(以下TMS)により増強する事により機能再構築を目的としている。 最終年度にあたる本年度は、実際に脳損傷後の片麻痺患者に対して効率的な運動学習を生じさせるためのTMSの最適刺激頻度、刺激部位の検索を行った。障害機能の個人間偏差を減らすために、損傷部位が被殻の患者6名に絞り行った。刺激頻度は、1Hz抑制刺激、5Hz興奮性刺激、興奮性Theta Burst Stimulation(TBS)、抑制性TBSの4種類と、刺激部位は、一次運動野、補足運動野の2領域で行った。抑制性刺激は、健側半球へ行い、興奮性刺激は、患側半球へと行った。従属変数は、示指MP関節の随意的伸展角度とした。磁気刺激は、各刺激法600発で行った。その結果、被験者毎で最適刺激方法が異なることが明らかとなった。また、刺激方法によってはむしろ機能低下を引き起こすものもあった。このことは、損傷部位を被殻に限局し、損傷部位の差異による影響は最小限にしているため、発症からの時期、重症度等が刺激法による効果の差異を生み出したと考えられる。以上より、全患者に共通する単一の最適刺激は存在せず、磁気刺激の効果は個人間差が大きく、TMSによる効果をモニタリングしながら刺激法を決定する必要があることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)