2010 Fiscal Year Annual Research Report
ニワトリ細胞株DT40の遺伝子破壊による、DNA損傷への応答機構の網羅的解析
Project/Area Number |
20241012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
武田 俊一 京都大学, 医学研究科, 教授 (60188191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂木 章 京都大学, 医学研究科, 助教 (80452332)
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Keywords | DNA組み換え / 標的組み換え / 遺伝子治療 / DT40 / ニワトリBリンパ細胞 |
Research Abstract |
(1)RAP80の機能解析 RAP80は、腫瘍抑制遺伝子、BRCA1と直接に結合する。このBRCA1-RAP80複合体の機能は不明であった。この機能をRAP80遺伝子破壊細胞を作出することにより解析した。そしてBRCA1-RAP80複合体は、DNA切断5'端から化学修飾を除去するのに必要なことを証明した。成果は、我々の教室の院生と准教授とが論文発表した(論文1)。 (2)相同組換えに関与するDNAポリメラーゼの同定-1 相同組換えは、必ずDNA合成のステップを伴う。このステップに、どのDNAポリメラーゼが関与するかは必ずしも明らかでなかった。我々は、Polη/Polν/Polθの3重欠損株をニワトリBリンパ細胞株(DT40)から作製し、相同組換えによる抗体V遺伝子の多様化を解析した。そして、この3種類のDNAポリメラーゼが相同組換えに関与することを証明した(論文2,3)。 (3)新規のRad51活性の制御因子の機能解析 Rad51は、大腸菌のRecAホモログであり、すべての相同組換えに必須である。Rad51活性は様々な方法で制御されている。ヒト・ニワトリでは8種類のRad51制御因子(Rad51B,Rad51C,Rad51D,XRCC2,XRCC3,Sws1,BRCA1.BRCA2)が報告されている。最近に見つかったRad51制御因子の候補(Gemin2)を機能解析した。その結果、Gemin2もRad51制御因子であることが証明できた(論文4)。 (4)相同組換えに関与するDNA切断酵素の同定 相同組換えでは、2本の相同DNAがホリデイ組換え中間体をいったん形成した後、それがDNA切断酵素によって分離される。我々は、分離に関与する切断酵素を検索し、FAN1とSLX4複合体に含まれる切断酵素とが分離に関与することを証明した。成果は、我々の教室の院生が論文発表した(論文5,6)。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Simultaneous disruption of two DNA polymerases, Polη and Polζ, in avian DT40 cells unmasks the role of Polη in cellular response to various DNA lesions.2010
Author(s)
Hirota K, Sonoda E, Kawamoto T, Motegi A, Masutani C, Hanaoka F, Szuts D, Iwai S, Sale JE, Lehmann A, Takeda S.
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Journal Title
PLoS Genet.
Volume: 6
Pages: E1001151
Peer Reviewed
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[Journal Article] GEMIN2 promotes accumulation of RAD51 at double-strand breaks in homologous recombination. Nucleic Acids Res.38:5059-74.2010
Author(s)
Takizawa Y, Qing Y, Takaku M, Ishida T, Morozumi Y, Tsujita T, Kogame T, Hirota K, Takahashi M, Shibata T, Kurumizaka H, Takeda S.
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Journal Title
Nucleic Acids Res.
Volume: 38
Pages: 5059-5074
Peer Reviewed
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