2010 Fiscal Year Annual Research Report
OR指向ファイナンスにおける意思決定支援モデルの開発
Project/Area Number |
20241037
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木村 俊一 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50143649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤木 勝茂 南山大学, 大学院・ビジネス研究科, 教授 (80065482)
井上 昭彦 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50168431)
鈴木 輝好 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (90360891)
辻村 元男 龍谷大学, 経済学部, 准教授 (40335328)
鈴木 敦生 名城大学, 都市情報学部, 准教授 (60513702)
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Keywords | OR / 数理ファイナンス / 金融工学 / 確率モデル / 意思決定 / オプション評価 / ポートフォリオ最適化 / リアルオプション |
Research Abstract |
意思決定支援の観点から数理ファイナンス理論を再構築するOR指向ファイナンスに向けて、平成22年度は19件の雑誌論文(うち査読付き論文15件)および40件の学会・国際会議発表を行った。これらの研究成果は次の3つに大別することができる。(1)オプションの価格評価とその応用:ラプラス変換を用いたアメリカンオプションの数値解析、ジャンプをもつ原資産上に書かれた買い手と売り手の両者が権利行使可能なロシアンオプションの価格評価、ストックオプションの公正価値評価に関する連続時間近似モデルの分析を行った。(2)リアルオプションの応用:官民連携事業に関する投資、転換社債による資金調達と投資時期決定、発電プラントの減価償却、ITセキュリティ投資、R&D投資プロジェクト選択、償還条項付き新株予約権評価等の多様な意思決定問題に対して、リアルオプションの枠組みを用いて分析を行った。(3)数理ファイナンスの理論的研究:非マルコフ型市場モデルにおいて有用な予測理論に基づくフィルタリング手法を多次元へ拡張する方法を見出した。また、確率分布の最適量子化を用いたlaw invariant comonotonicコヒーレント・リスク測度の新しい近似手法を開発した。 これらの研究成果は、日本オペレーションズ・リサーチ学会、日本ファイナンス学会、日本リアルオプション学会、日本保険・年金リスク学会を含む数多くの国内外の学会・国際会議において発表され、研究目的及び実施計画に沿った十分な成果が得られたと考えられる。さらに、本研究の研究成果公表と関連する研究者との研究交流を目的として、2010年11月24日~26日の3日間、京都大学数理解析研究所において通算して3回目となるRIMS研究集会「ファイナンスの数理解析とその応用」を開催し、40名余りの参加者を得て19件の研究発表を行った。
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Research Products
(61 results)