Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 誠 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (00282343)
池田 良彦 東海大学, 法学部, 教授 (60212792)
芳賀 繁 立教大学, 現代心理学部, 教授 (10281544)
栗田 多喜夫 独立行政法人産業技術総合研究所, 脳神経情報研究部門, 副研究部門長 (10356941)
高橋 宏 湘南工科大学, 工学部, 教授 (80454156)
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Research Abstract |
人の認知・判断特性と交通移動体の特徴を踏まえた多層リスク制御技術の開発と過失に関する新しい法理論の提案を目指し,(1)ヒューマンファクター,(2)権限と責任,(3)技術的支援の3つの研究アスペクトを設けて研究を実施した。平成20年度の研究成果は以下のとおりである。 (1)ヒューマンファクター研究アスペクトでは,状況認識の難しさを,交通移動体(航空機、自動車、鉄道)の特性,高度自動化システム,運転者の認知。判断特性を対比させながら明らかにした。また,自動車についてはドライバーへの情報支援。判断支援がリスク補償行動に及ぼす影響を実験的に検証した。 (2)権限と責任研究アスペクトでは,システム性事故の刑事責任を問う根拠を明確にするため,従来の刑事過失理論の学説史を整理し,結果予見可能性を責任判断の対象とすることの意義を検討した。さらに,運転者が直面した状況において,不可欠な行為,禁止行為,そのいずれでもない行為に分類し,交通環境と運転者の行動の双方をモニタリングできる技術システムがあった場合を想定し,人と機械の間での安全確保に関わる権限の所在に関する理論的考察を行った。 (3)技術的支援研究アスペクトでは,運転者を撮影し,た動画像から運転者の動作を認識する手法の開発を目指して動画像からモーションヒストリー画像を構成し,それらから高次局所自己相関特徴を抽出して動作を認識する手法を検討した。また,自動車の車線変更等を例に,行動データに基づく運転者の心的状態実時間推定技術を開発し,シミュレータ実験で有効性を確認した。さらに,交通環境に潜むリスク表示のためのインタフェース技術開発として,3次元ヘッドマウントディスプレイによる視覚刺激提示装置と聴覚刺激提示装置を構築し,実験データの収集。蓄積を行った。
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