2011 Fiscal Year Annual Research Report
モジュール設計による機能性RNA-タンパク質複合体創製原理の確立
Project/Area Number |
20241051
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森井 孝 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (90222348)
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Keywords | モジュール / センサー / 分子認識 / ケミカルバイオロジー / RNA / RNA-ペプチド複合体 / インビトロセレクション / リセプター |
Research Abstract |
本研究では、RNA-ペプチド複合体(RNP)の各サブユニットに「機能性モジュール構造」を導入して、蛍光RNPセンサーとRNP酵素を設計・作製する合目的な方法論を確立する。このために、RNP複合体を用いた分子設計の利点であるRNAサブユニットとペプチドサブユニットを段階的に機能化する方法を汎用性のある方法論として発展させる。また、細胞内で利用できる機能性RNPをケミカルバイオロジーのツールとして開発することを目的とした。 本年度は以下の成果を達成した。 (1)ペプチドモジュールの反応活性点をもとにしたRNP触媒の構築 RNPの段階的機能化法により、エステル結合を加水分解するRNP酵素の作製を試みた。反応基質としてアデノシンの5'-H基にリンカーを介してニトロフェノールエステル導入した分子を合成した。RNAサブユニットにはATP結合性RNPのRNAを利用した。RevペプチドのN末端にエチレンジアミン基を導入したペプチドサブユニットを合成した。現在、ATP結合性RNPのRNAサブユニット群とエチレンジアミン修飾RevからRNPライブラリーを構築し、ニトロフェノールエステル加水分解活性を有するRNPを探索している。 (2)細胞内に導入可能な機能性RNP複合体の構築 3'-末端を酸化したRNA末端とペプチドサブユニットに導入したヒドラジド基藩王させ、安定なRNPを構築した。この手法は、ペプチドN末端に蛍光分子を導入した場合にも用いることが出来た。得られた共有結合安定化RNP骨格を持つ蛍光センサーは、HeLa細胞抽出液中で2時間は活性を維持した。
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