2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20241053
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
深瀬 浩一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80192722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 ゆかり 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00362616)
田中 克典 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教 (00403098)
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Keywords | 免疫増強作用 / 自然免疫 / PETイメージング / グリコシル化 / 固相合成 |
Research Abstract |
細菌細胞壁ペプチドグリカン(PGN)受容体Nod1,Nod2やPGN認識タンパク質群との相互作用の解析のために8糖以上のPGNフラグメントの効率的な合成を目指し、新規ルートを検討した。その結果8糖ジペプチド構造ならびに8糖ヘプタペプチドの合成に成功した。大腸菌から放出されるNod1リガンドの単離構造研究を行い、特異なアンヒドロ糖とジアミノピメリン酸(DAP)を含む2糖トリペプチドから成る天然Nod1リガンドの構造を世界で初めて同定した。 ピロリ菌や歯周病菌ポルフィロモナス・ジンジバリスのような慢性炎症の起因菌の産生するリポ多糖は弱い免疫増強活性を示す。本研究では昨年度に続き、ピロリ菌、ジンジバリス菌のリピドAならびリポ多糖の合成研究を行った。その結果トリアシルピロリ菌リピドAと酸性糖Kdoの結合したリポ多糖部分構造に加え、それらのテトラアシル体やジンジバリス菌リピドAの合成に成功し、これらが急性炎症に関わるサイトカインは誘導しないが慢性炎症に関わるサイトカインを誘導することを明らかにした。 グリコシルアスパラギン構造を有するN-結合型糖タンパク質糖鎖の合成研究を行い、マイクロフロー合成によるα-シアリル化、β-マンノシル化、グリコシルアスパラギン合成などの糖鎖フラグメント原料プロセスの条件について検討し、大量合成に耐えうる条件を見出した。 高速電子環状反応を利用した新規プローブの開発を進めるとともに、新しいプローブを用いた糖タンパク質や糖クラスターならびに生細胞のPETイメージングならびに蛍光イメージングについて検討した。その結果、リンパ球の動態を可視化し、ある種の糖鎖をリンパ球に人工的に導入することで、リンパ球の動態を制御できることを見出した。
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