2008 Fiscal Year Annual Research Report
多成分蛍光標識ペプチドライブラリーを用いた薬剤検索システムの構築
Project/Area Number |
20241054
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宍戸 昌彦 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60026268)
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Keywords | ペプチド / スクリーニング / 蛍光性アミノ酸 / ステルス標識 / がん細胞 / 2次元蛍光スペクトル |
Research Abstract |
20は、以下の研究を行ない、多成分蛍光標識法を確立させた。 (1)多成分蛍光標識に用いる蛍光性アミノ酸の探索 (2)蛍光性アミノ酸自体が細胞に認識されないようにするステルス標識法の確立 (3)11種類の蛍光性アミノ酸を用いたA431細胞結合性ペプチドの探索 (4)A431細胞結合ペプチドの細胞結合の共焦点蛍光顕微鏡による観察 (1)30種類以上の蛍光性非天然アミノ酸を合成し、蛍光強度が強くまた他の蛍光性アミノ酸とのスペクトルの重なりが少ないものを選択した。さらに蛍光基自体がA431細胞に非特異的に結合するものを排除した。その結果.20年6月の時点で11種類の蛍光性アミノ酸が使用できることが明らかになった。また20年2月の時点では15種類のアミノ酸が使用可能になった。 (2)蛍光性アミノ酸(Fl)はそれ自体が細胞結合性を持つことが予想される。細胞表面が負に荷電していることを考え、蛍光基周辺に負電荷をもつグルタミン酸(Glu)を配置したペプチドを作成した。具体的にはAc-Glu-Glu-Fl-Glu-Glu一配列とすることにより、上記11種類あるいは15種類については細胞結合性がなくなった。 (3)11種類の蛍光性アミノ酸で8個のアミノ酸からなるペプチドライブラリーを標識し、A431細胞に結合する配列を探索した。スクリーニングのサイクルを経るごとに細胞に結合するペプチドの絶対量が増加してくることから、この方法が期待通りに働いていることが示唆された。スクリーニングの結果、数種類のA431細胞結合配列が見出された。 (4)見出された配列を持つペプチドを培養A431細胞と接触させ、共焦点顕微鏡で観察したところ、期待通り蛍光基が細胞の表面に結合していることが観察された。 以上の結果から、20年度の研究において多成分蛍光標識法の原理が確立できた。
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Research Products
(8 results)