2009 Fiscal Year Annual Research Report
ソ連及び旧共産圏の文化におけるスターリン批判と雪解けに関する超域横断的研究
Project/Area Number |
20242007
|
Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
亀山 郁夫 Tokyo University of Foreign Studies, 学長 (00122359)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩川 伸明 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (70126077)
望月 哲男 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (90166330)
桑野 隆 早稲田大学, 教育学部, 教授 (90143677)
沼野 充義 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (40180690)
高橋 清治 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 教授 (30126106)
|
Keywords | ロシア文学 / ロシア文化 / 雪解け / スターリン批判 / 冷戦 / ソ連 / イデオロギーフ / 表象文化 |
Research Abstract |
研究期間の初年度にあたる平成20年度も、まずは言語文化、表象文化、政治文化、歴史文化の4つのセクションで、研究組織メンバーと連携研究者が上記の課題についてそれぞれの分野の研究を推進した。その代表的なものとしては、言語文化セクションでは、本研究が対象とする時期を含むロシア・ソ連の文学が現代ロシアの文学作品にいかなる影響を残しているかについて様々な角度から考察を行った。表象文化セクションでは、ショスタコーヴィッチの音楽、モンゴルやグルジアの映画などを対象した研究を発表した。それ以外にも、旧共産圏の文化について考察を行った。政治文化セクションでは、ソ連時代、とくにブレジネフ時代がらその後の時代を展望した民族問題や社会意識にかんする研究を発表した。 2010年2月22日には国際ワークショップ「ポスト・スターリン時代の文化的想像力」を開催した。海外からはアレクサンドル・ゲニスとアレクセイ・ワルラーモフを招聘し、前者は「亡命ロシアの『第3の波』-自由の仮縫い」と題する報告を行い、ブレジネフ期の亡命文学者の活動と作品について論じた。後者は「土壌主義者と自由主義者の見たソヴィエト文学の『正当派』と「異端派」と題する報告を行い、現代のロシア文学においてポスト・スターリン期のソ連文学をどのように評価されているかを論じた。さらに、研究組織の4つのセクションから代表者が報告を行い、政治文化セクションからはブレジネフ期のソ連社会について、表象文化セクションからは「雪解け」の時代のソ連映画について、歴史文化セクションからは戦後日本におけるスターリン文化の受容について報告を行った。
|