2010 Fiscal Year Annual Research Report
ソ連及び旧共産圏の文化におけるスターリン批判と雪解けに関する超域横断的研究
Project/Area Number |
20242007
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
亀山 郁夫 東京外国語大学, 学長 (00122359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩川 伸明 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (70126077)
望月 哲男 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (90166330)
桑野 隆 早稲田大学, 教育学部, 教授 (90143677)
沼野 充義 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (40180690)
高橋 清治 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 教授 (30126106)
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Keywords | ロシア文学 / ロシア文化 / 雪解け / 冷戦 / ソ連 / スターリン批判 / 表象文化 / イデオロギー |
Research Abstract |
研究期間の最終年度も、引き続きセクションごとに個別の研究成果を発表した。まず、言語文化セクションでは、ピリニャークやソルジェニーツィンなどのソヴィエト文学や、ナボコフなどの亡命ロシア人の文学、ソローキン、ペレーヴィンなどの現代ロシア文学についての論考を雑誌論文や学会報告という形で公表した。表象文化セクションでは、ショスタコーヴィチの生涯と創作について新たな視点から考察した論文、イリヤ・カバコフの作品についての考察を発表した。政治文化セクションでは、冷戦時代とその終焉の過程を展望した研究を行い、その成果を公表した。とくに、冷戦時代のソ連社会についての近年の研究動向をふまえて考察した研究、民族問題についての再検討、冷戦の終焉とソ連解体へと至るソ連の政治社会体制について雑誌論文や単行書を発表した。 以上のセクションごとの研究をふまえ、この研究課題と研究組織による総括的なイベントとして、2011年1月22日に国際シンポジウムを開催した。これは、「自由への試練:ポスト・スターリン時代の《抵抗》と《想像力》」と題して、海外からもゲストを招いて公開シンポジウムとして実施した。まず、マイケル・ニコルソン(オックスフォード大学)は、「《雪解け時代》のしかめ面:ソルジェニーツインとシャラーモフ」という論題で報告を行い、続いてリュドミラ・サラスキナ(ロシア国立芸術学研究所)が「《雪解け時代》の文学:その勝利と挫折(パステルナーク、ソルジェニーツィン、フルシチョフの「コンサート」)」というテーマで報告を行った。さらに、貝澤哉「液状化するスクリーン:雪解け以後のソ連《ヌーヴェルバーグ》映画」、亀山郁夫「ショスタコーヴィチの贖罪」という報告を行った。
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Research Products
(26 results)