2012 Fiscal Year Annual Research Report
為替レート変動の理論分析と高頻度データによる実証分析
Project/Area Number |
20243014
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 隆敏 東京大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (30203144)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | 為替レート / 高頻度データ / 介入 / オーダーフロー / 変動性(ボラティリティー) / ランダム・ウォーク / マクロ統計 / マイクロ・ストラクチャー |
Research Abstract |
本年度は、為替レートを秒単位の高頻度データで分析することで幾つかの新たな知見が得られた。 第一に、研究実施計画にあげた、円・ドル・ユーロ間の裁定機会を「三角裁定」として厳密に定義、計測し、次の論文を出版した。T. Ito (第一著者), "Free Lunch! Arbitrage Opportunities in the Foreign Exchange Markets" (K. Yamada; M. Takayasu; H. Takayasuと共著) NBER working paper, 2012では、これまでの常識を覆し、裁定機会が頻繁に発生していること、しかしながら、銀行のコンピューターが取引システム(EBS)に直接接続され、アルゴリズム・トレードを実行するようになった2005年前後から、裁定機会の頻度は減少し、継続時間は短くなったことが示された。 第二に、マクロ経済と為替レート変動の関係については、Dominguez, K; Y. Hashimoto; T. Ito, "International Reserves and the Global Financial Crisis" J. of Int'l Economics, vol 88, 2012で、各国が通貨危機を防ぐためにどのような介入を行ってきたかについての研究を行った。アジア各国が外貨準備を積みますことで、危機を回避してきたことを示した。 第三に、通貨危機については、国際通貨基金による政策アドバイスを伴う資金支援が危機からの回復の有力な手段だが、過去のアジア通貨危機においてはその政策アドバイスが必ずしも適切ではなかった、ということを、T. Ito "Can Asia Overcome the IMF Stigma?" American Economic Review, vol 102, 2012で論証した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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