2008 Fiscal Year Annual Research Report
研究開発型企業のライフサイクルとイノベーションに関する定量的・定性的研究
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20243018
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
岡室 博之 Hitotsubashi University, 経済学研究科(研究院), 准教授 (40251730)
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Keywords | 新規開業企業 / アンケート調査 / 訪問調査 / 研究開発 / イノベーション / 産業クラスター |
Research Abstract |
平成20年度の研究の重点は、今後の研究の基盤となる大規模な調査データの収集と整理に置かれた。 平成20年度の前半には、調査対象企業の選定と調査票の設計を行い、7月から8月にかけて郵送による予備調査と訪問調査を実施した。その結果を踏まえて調査票を改善し、11月から12月にかけて、製造業とソフトウェア業における平成19年1月以降の新規開設法人約14,000社を対象として、郵送方式でアンケート調査を実施した。主な調査内容は、創業者の特性、開業時と開業後の企業特性、研究開発への取り組みと成果、経営状況である。回答企業約1,500社の約3分の2が、我々の定義によれば研究開発型企業と見なされる。調査結果の詳細な集計報告書を平成20年度中に作成した。 また、上記アンケート調査の回答企業から首都圏と関西の7社を選定し、平成21年1月から2月にかけて訪問調査を行い、事業内容や開業の経緯、研究開発への取り組み等について、書面調査の結果を補完した。大阪府内の産業クラスターの中核拠点を成すバイオ・インキュベータを訪問し、情報収集と意見交換を行った。 以上の調査とは別に、経済産業省の「産業クラスター計画」参加企業約2,700社を対象に、平成21年2月から3月にかけて書面調査を行い、500社以上から回答を得た。主な調査項目は、企業と経営者の概要、クラスター参加以前と以後の企業間・産学官の技術連携、各種支援政策の利用状況と効果である。平成20年度中にデータの入力をほぼ終了した。 さらに、平成21年1月に一橋大学経済研究所・イノベーション研究センターと共催で企業の存続・成長とイノベーションに関する国際会議を一橋大学内で開催し、海外の専門研究者数名を招聘した。パネルデータの構築や分析について、また今後の共同研究の可能性について、彼らと意見交換を行った。
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