2008 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀日本の市場経済と制度設計-世界経済・東アジア経済との関連を中心に
Project/Area Number |
20243023
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Research Institution | Tokyo International University |
Principal Investigator |
原 朗 Tokyo International University, 経済学部, 教授 (70012127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加瀬 和俊 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (20092588)
金子 文夫 横浜市立大学, 国際総合科学部, 教授 (80114445)
山崎 志郎 首都大学東京, 都市教養学部, 教授 (10202376)
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Keywords | 20世紀 / 市場経済 / 経済制度 / 制度設計 / 日本経済 / 経済史 / 戦時経済 / 高度成長 |
Research Abstract |
本年度は機械振興協会保管の産業経済調査会・防衛省防衛研究所戦史室図書館所蔵の軍需省原局資料・閉鎖機関特殊清算関係資料・佐世保重工業関係資料など各種資料の調査を行ない、これらの一次資料に基づき分析を進めるとともに、ほぼ毎月研究会を開催して個別報告や学会秋季学術大会パネル「大量生産体制と消費財市場-戦後日本の経験」(山口・呂・西野・石井が参加)の準備報告などの相互討論を行った。また、海外研究協力者が参加している韓国の産業史研究会と協力して2004年以降毎年開催している東アジア経済史シンポジウムの第5回目を、9月に韓国大田広域市培材大学校で開催し、1930年代から1970年代にいたる戦時戦後の日韓経済をテーマとする諸報告(日本側からは岡崎・金子・山口ほか2名、韓国側からは宣・林ほか4名)につき討論を行って研究交流を深めた。 個別報告では、寺村が1950-60年代の自転車輸出組合、陶磁器の輸出カルテルについて、柳沢が1950年代の衣料問屋、満州経済史研究の動向、山崎が戦時産業金融、原が二十世紀論、岡崎が戦時三菱財閥本社の資本取引、宣が植民地工業化と有業率低下について研究報告を行い、戦時から1950年代・60年代についての経済史的研究を深めることを試みた。 世界的経済危機が深刻化している現状を反映して、初年度としての本年度の研究成果には20世紀の世界経済ならびに東アジア経済に及ぶ広い視野から問題を長期的にとらえ、日本の市場制度と制度設計を広域的・長期的に把握すべきであるという観点が共有されつつあり、次年度以降の研究の方向性が示されている。
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Research Products
(19 results)