2009 Fiscal Year Annual Research Report
アダプティブ・ガバナンスと市民調査に関する環境社会学的研究
Project/Area Number |
20243028
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮内 泰介 Hokkaido University, 大学院・文学研究科, 教授 (50222328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼頭 秀一 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (40169892)
佐藤 哲 長野大学, 環境ツーリズム学部, 教授 (10422560)
菅 豊 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (90235846)
関 礼子 立教大学, 社会学部, 教授 (80301018)
赤嶺 淳 名古屋市立大学, 大学院・人間文化研究科, 准教授 (90336701)
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Keywords | 順応的管理 / 自然資源管理 / 自然再生 / 社会-生態システム / コモンズ / 社会的モニタリング / レジリエンス / 合意形成 |
Research Abstract |
本研究は、社会のしくみや制度を順応的に変えていきながら自然環境管理を行っていくということ(アダプティブ・ガバナンス)と、その中における市民調査(市民・住民自身による調査)の役割を、事例を積み重ねることによって分析し、そこからモデル構築および政策提言をしていくことを目的としている。 本研究の2年目に当たる本年は、各メンバーがそれぞれに現地調査(北海道・釧路湿原、青森県・岩木川河口地域、宮城県・北上川河口地域、兵庫県豊岡市など)を行い、またそれらの報告を研究会を開催して行い、モデル構築へ向けて議論を深めた。また、メンバーの一人のフィールドである新潟県小千谷市での現地調査及び現地での研究会を行った。さらに、市民調査をテーマにしたワークショップも行い、市民科学研究室を主催する上田昌文氏に「市民科学の試みと課題」について報告いただき、研究メンバーもそれぞれに報告し、議論を深めた。 その結果、次のようなポイントが浮かび上がってきた。(1)アダプティブ・ガバナンスにおいて鍵となるのは、レジリエンス、学び、社会的ネットワークの3点であること。(2)問題の枠組みを広げるないしずらすことが重要であり、そのことによって合意形成(「反対しない」を含めた合意)が図られるということ。(3)多元的な価値の中で複数の利益を満たす方策が重要であること。(4)「問題」を顕在化させないようなガバナンスのあり方が鍵になってくること。
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Research Products
(42 results)